1999 Fiscal Year Annual Research Report
転写抑制因子lκB-αによるシェーグレン症候群の遺伝子治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11771278
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
玉谷 哲也 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30274236)
|
Keywords | NF-κB / lκB-α / 唾液腺腺房細胞 / MMP-9 / TNF-α |
Research Abstract |
1.不死化ヒト唾液腺腺房細胞クローンであるNS-SV-AC細胞に、転写因子NF-κBの抑制因子の一つであるlκB-αのうち、外界からの刺激によっても分解を受けない変異型lκB-α(srlκB-α)cDNAを導入した細胞クローン(ACMT-6とACMT-7)とempty vector(pRc/CMV)のみを導入した細胞クローン(ACpRc-1)を樹立した(Azuma,M.,Exp.Cell Res.,250:213-222,1999)。 2.これら細胞クローンの核内NF-κB活性を測定したところ、ACMT-6とACMT-7においてはACpRc-1に比較して著しい低下を示した。またこれら細胞クローンをTNF-αにて処理した場合、ACpRc-1においてはNF-κB活性の著明な上昇を引き起こしたが、ACMT-6とACMT-7についてはNF-κB活性の誘導は見られなかった。したがって、ACMT-6とACMT-7に遺伝子導入されたsrlκB-α cDNAが機能的に作用していることが確認された。 3.これら細胞クローンをTNF-αにて処理した後、培養上清中の蛋白分解酵素であるMatrix metalloproteinase(MMP)-9を検索したところ、ACpRc-1においてはMMP-9の著明な上昇が確認されたが、ACMT-6とACMT-7においては増強は見られなかった。すなわちsrlκB-α遺伝子導入によりTNF-αによって惹起される蛋白分解酵素の誘導が抑制可能であることが明らかとなった。
|