1999 Fiscal Year Annual Research Report
リボソ-ム不活性化蛋白質、ペポシンを用いた口腔癌新規治療法の開発
Project/Area Number |
11771280
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宝田 学 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (60226941)
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Keywords | 口腔癌培養細胞 / ペポシン / リボソーム不活性化タンパク質 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
(1)ペポシンの細胞毒性について ペポシンはカボチャ果肉から単離された、I型リボソーム不活性化タンパク質(RIP)であり、真核細胞では28SrRNAの特定部位の1個のN-グリコシド結合を加水分解することでタンパク質合成を阻害すると考えられている。真核細胞におけるRIP活性を確認するため、まずアフリカツメガエル卵母細胞にペポシンをマイクロインジェクションし、その細胞毒性に対する時間及び用量依存性を調べたところペポシンは用量依存的に卵母細胞の死滅を引き起こした。またペポシンを作用させた細胞より抽出、アニリン処理を行ったrRNAから特異的なRNA断片の発現を検出したことから、ペポシンによる脱アデニン化によるタンパク質合成が阻害された結果、細胞死が起こったことが明らかとなった。 (2)リガンドーペポシン架橋体の作成とその細胞毒性応用 タンパク質リガンドが細胞膜上の特定の受容体に結合すると、エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれる。これを利用してペポシンと種々の受容体リガンドの架橋体を作成して、癌細胞内に取り込ませる方法を検討している。現在までに、口腔癌細胞膜表面に特異的な受容体が存在しているという報告はないため、現段階ではEGF、IL、等の細胞膜上に比較的普遍的に存在している受容体を利用してこれらのリガンドとペポシンとの架橋体作成を画策している。架橋体の安定性及び細胞内への取り込みを確認した後に口腔癌細胞への細胞毒性を検討する予定である。
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