1999 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症患者の頭頚部の筋および咀嚼筋の筋疲労について
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11771323
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上田 宏 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20304446)
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Keywords | 筋疲労 / 咀嚼筋 / 胸鎖乳突筋 / 筋電図 |
Research Abstract |
1.頭頚部の筋を含めた咀嚼筋の筋電図を中心とした、総合的な顎口腔機能分析システムの確立と筋疲労分析プログラムの開発 筋電計によって記録された頭頚部の筋および咀嚼筋活動を、筋疲労に着眼して分析するためには、波形の周波数分析を詳細に行う必要がある。分析用プログラムには、多チャンネル高速データ処理装置シグナルプロセッサを用いることを前提に、新たに筋の活動様相が詳細に把握できるプログラムが必要である。そのため既製のプログラムに若干の改良を加えて筋疲労分析プログラムを作成した。また、今回新たに加えた携帯用分析コンピュータとパーソナルコンピュータを用いて検査室と研究室を結んだ顎口腔機能分析システムを確立した。 2.健常人のデータの記録および分析 正常な咬合関係を有し、顎口腔機能に異常を認めない成人男子8名(平均年令27.6歳)、女子8名(平均年令24.2歳)を被験者とした。検査室で咬合力計を用いて、98,196,294Nの実験的負荷を45秒間与え左右の咬筋、側頭筋および胸鎖乳突筋の活動を記録し、それぞれの疲労の程度(fatigue ratio)を分析し、男女間で比較を行った。その結果、咬筋ではすべての荷重において女性のほうが有意に高いfatigue ratioを示した。胸鎖乳突筋では98Nにのみ女性に有意に高い値が認められた。側頭筋では女性のほうが高い値を示したが、有意差は認められなかった。以上のデータを基礎とし、今後、不正咬合患者や、顎関節症患者のデータを記録していく予定である。
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