1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病におけるインターフェロン系シグナル伝達機構の解析と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
11771334
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古堅 麗子 長崎大学, 歯学部, 助手 (90253674)
|
Keywords | 歯周病 / シグナル伝達 / インターフェロン |
Research Abstract |
歯周病は,口腔内に常在菌が存在する環境の中,炎症性病変とともに歯槽骨骨吸収にいたる特異な病変である。そのため,歯周病において,宿主と細菌間の免疫応答については、注目され研究が進んでいるが、免疫反応に至るシグナル伝達機構についてはほとんど解明されていない。炎症には,様々なサイトカインが関与しているが,歯周病の炎症領域においてIL-1産生の上昇が報告されている。本研究では、IL-1産生には,IL-1 convertase(ICE)が重要であることに着目し,炎症や骨吸収に関与しているNOとの関連も含めた歯周病におけるインターフェロン系シグナル伝達経路を解明するため,解析を進めている。 まず,BALB/cマウス腹腔内マクロファージおよび骨髄細胞をP.gingivalisのLPS等の様々な菌体成分で刺激し,IL-1α,IL-1β,TNFα産生量で比較したところ、量依存的に産生量の増加が認められた。次に,IRF-1ノックアウトマウス,TNFp55レセプターノックアウトマウスを用いて同様の実験を行い,wildマウスと比較した。 一方,マウス由来細胞において,同じく細菌由来成分を用いて,Elispot法によるIFNγの量的な比較およびcolorimetric assayを用いてNO産生量についても比較をおこなった。 マウス由来骨髄細胞を用いて各種細菌成分の刺激による破骨細胞活性をみるため,c-srcの発現量で比較したところ、量依存的にc-src発現の増加が認められた。さらに,シグナル伝達に関与する分子を明かにするために、反応を抑制すると予想される物質も培養に加えた。AP-1等の関与については現在解析の進行中である。
|