2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771335
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西山 毅 長崎大学, 歯学部, 助手 (50295086)
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Keywords | 歯周病 / リボソーム蛋白質 |
Research Abstract |
細菌に含まれる様々な構成物の中で免疫活性を有するものはいくつか知られている。その中にリボソーム画分がある。リボソーム画分はこれまでに抗酸菌において細胞性免疫を惹起するという報告があり、ワクチンとしての利用、すなわちリボソームワクチンの可能性が示された。よって歯周病原因菌ととらえられているPorphyromonas gingivalis(以下Pg)のリボソームタンパク質について検討を進めた。まず既知のリボソームタンパク質の一つであるMycobacterium bovis BCGのL7/L12の塩基配列を元にサザン法にてクローニングを試みたが、PgのL7/L12を含む遺伝子断片を得ることができなかった。次に大腸菌のL7/L12を元にしてサザン法を行ったところ制限酵素BamH1で消化した5.5kbpの断片を得ることができた。抗酸菌はGCリッチであるためうまくハイブリしなかったためと思われる。次にBamH1断片をさらに様々な制限酵素で消化し、それぞれの塩基配列を決定したところ、大腸菌のL7/L12と類似したN末端の塩基配列を見いだすことはできたが、完全なPgのL7/L12の塩基配列を決定することはできなかった。L7/L12にはいくつかの機能ドメインがある。N末端は2両体形成に関与し、C末端はGTPase活性に関与している。抗酸菌のL7/L12の場合、免疫活性部位はC末端よりに存在しており、その部分は他の細菌のL7/L12とはアミノ酸配列の相同性が低い部分である。今回決定できたPgのL7/L12の配列はN末端側であり、大腸菌とは高い相同性を示す部分であった。よってこの部分には免疫反応を惹起する部位は含まれていないと思われる。
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