1999 Fiscal Year Annual Research Report
抑制的対応法が患児に及ぼす影響とその消去法について
Project/Area Number |
11771351
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
河合 利方 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30308788)
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Keywords | 歯科恐怖 / アンケート / 抑制治療 / 苦痛体験 / Visual Analog Scale |
Research Abstract |
患児に与える恐怖や苦痛がその後の歯科受診行動にどの様に影響を及ぼすかについて過去の歯科受診体験と現在の歯科診療に対して持っている恐怖の程度との関連性について比較検討を行うためアンケートを無作為に配布し、協力の得られた350名の内歯学部の学生87名と20,30歳代199名の回答から調査を行った。調査内容は、1.これまでの歯科受診経験の有無とその内容。2.歯科治療中の苦痛体験の有無とその内容と時期。3.幼少期における抑制および強制治療体験の有無。4.現在の歯科治療を受けるとした時の具体的なイメージとVisual Analog Scaleによる恐怖の程度です。 結果 [歯学部の学生] 1.過去の歯科受診時において苦痛体験があるものは約50%でした。 2.抑制治療の体験が「ある」「ある様な気がする」と回答したものは約9%存在していました。 3.苦痛、抑制の両体験とも「体験群」が「非体験群」に比べ、現在の歯科治療に対して持っている恐怖の程度は高く、過去のこの様な体験が現在の歯科恐怖の形成に大きく関与していることが明らかとなりました。 4.過去の苦痛体験において記憶が曖昧な「覚えていない」と回答したものが、「ない」「ない様な気がする」と答えたものに比べ、歯科治療に対し高い恐怖心を持っていた。 [20,30歳代] 1.苦痛・抑制体験とも「ある」と回答したものが「ない」と回答したものより現在の歯科治療に対して持っている恐怖の程度は高く、過去のこの様な体験が現在の歯科恐怖の形成に関与していると考えられました。 2.過去の苦痛体験において「痛み」の有無に係らず、現在の歯科診療に対して持っている恐怖の程度に差は認められませんでした。 3.苦痛体験時期による比較においても特に限定される時期は存在しませんでした。 4.現在歯科診療に対して持っているイメージにおいて痛みに関連した事項をあげる者の歯科恐怖の程度が高いことが認められました。
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