1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜線維芽細胞に発現するHLAクラスII分子のレセプター分子としての役割
Project/Area Number |
11771370
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大山 秀樹 岡山大学, 歯学部, 助手 (90280685)
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Keywords | 歯根膜線維芽細胞 / 歯肉線維芽細胞 / HLAクラスII分子 / サイトカイン / ケモカイン |
Research Abstract |
本研究は,歯根膜線維芽細胞(PDL)上に発現するHLAクラスII分子のレセプター分子として機能することの可能性およびそれら分子の役割を明らかにすることを目的とする。その第一歩として,PDLを抗HLA-DRおよ-DQ抗体で刺激することにより,1)PDLが示す表現型をサイトカイン産生を指標として評価すること,2)その細胞内におけるシグナル伝達系を調べることを戦略とする。本年度は1)被験PDL株の樹立,および2)PDL膜上のHLAクラスII分子を刺激した時に産生されるサイトカインの同定を行なった。なお,歯周組織を構成する線維芽細胞という観点から,PDLに限らず歯肉線維芽細胞(GF)も被験細胞に加えた。その結果以下の成果を得ることができた。 1)健常者2名からPDLおよびGFを得ることができた。 2)樹立した細胞株について,抗HLA-DRおよび-DQ抗体を用いてそれぞれの分子を介した刺激を与えた結果,IL-8およびMCP-1などのケモカイン,さらにIL-6を産生することが分かった。単球などHLA-DRおよび-DQ分子を発現する血球系の抗原提示細胞は,HLAクラスII分子を介した刺激を与えることによってIL-1β,IL-12等のモノカインを産生することが明らかになっている。しかし,PDLおよびGFなどの線維芽細胞は,それらモノカインを産生しなかった。なお,ケモカインにおいてもMIP-1αおよびRANTESについては産生されなかった。 以上の結果から,PDLおよびGF上に発現するHLA-DR-およびDQ分子は,これら細胞がサイトカインを産生する際のレセプター分子となり得ることがわかった。来年度は引き続き,HLAクラスII分子を介した刺激によって誘導される細胞内シグナル伝達経路について調べる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takashiba S: "HLA genetics for diagnosis of susceptibility to early-onset periodatitis"Journal of Periodontal Research. 34・7. 374-378 (1999)
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[Publications] Tanaka Y: "Identification of peptide superajonists for a self-k-ras-reactive CD4^+ T cell clone using combinatorial peptide libraries and mass spectrometry"Journal of Immunology. 162・12. 7155-7161 (1999)
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[Publications] Ohyama H: "IL-12 production from monocytes induced by stimulus via HLA class II molecules in humans with leprosy"34^<th> US-Japan Cooperative Medical Science Program. 34. 58-62 (1999)
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[Publications] Ohyama H: "Roles of HLA class II molecules on fibroblasts"Journal of Dental Research. 78・special Issue. 266 (1999)
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[Publications] 大山 秀樹: "HLAクラスII分子を介した刺激により誘導される単球のIL-12産生とハンセン病の病型"日本免疫学会総会・学術集会記録. 29. 243 (1999)
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[Publications] Ohyama H: "T-cell Epitope Involved in Immune Responses of Early-onset Periodontitis Patients"Japanese Association for Dental Research Program and Abstracts of Papers. 47. 126 (1999)