1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771373
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
繁森 英幸 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70202108)
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Keywords | 免疫抑制剤 / 放線菌 / マウスリンパ球混合培養反応 / テルペノイド / 非メバロン酸経路 |
Research Abstract |
現在開発・上市されている免疫抑制剤は、作用点の類似性、副作用などの問題を抱えており、より安全性が高く作用点の異なる新規物質の開発が強く望まれている。そこで本研究では、新しい作用機序に基づく免疫抑制活性をもつ新規物質を天然物から探索することを目的とする。天然物の探索素材としては、植物のみならず、海洋生物(海綿、ホヤ等の無脊椎動物)、および細菌・真菌類などの陸棲および海洋性微生物をとりあげ、マウスリンパ球混合培養反応(MLR)を指標として、活性物質の探索を行った。以下に本年度の研究成果の概要を報告する。 マウスリンパ球混合培養反応を指標としてスクリーニングを行った結果、病原性の放線菌Nocardia brasiliensisより、新規テルペノイド化合物ブラシリカルジンAを単離し、二次元NMRデータ、分解反応、改良Mosher法ならびにp-ブロモベンゾイル体のX-線結晶解析により、絶対立体配置を含めてブラシリカルジンAの構造を決定した。ブラシリカルジンAにはマウスリンパ球混合培養反応において強い阻害活性(IC_<50>,0.11μg/mL)が認められた。ブラシリカルジンAは天然には稀な3環性ジテルペンであるイソコパラン骨格に二糖とアミノ酸が結合したユニークな化合物である。一方、D-[1-^<13>C]グルコースを添加して培養を行い、得られたブラシリカルジンAの^<13>C NMRデータより、イソコパラン骨格のC-2,C-6,C-11,C-15,C-19,C-21,C-22およびC-23が選択的に^<13>C標識されていることがわかった。このことからブラシリカルジンAのイソコパラン骨格部分は非メバロン酸経路で生合成されていることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H. Komaki: "Brasilicardin A, a new terpenoid antibiotic from Nocardia brasiliensis : Fermentation, isolation and biological activity"J. Antibiot.. 52. 13-19 (1999)
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[Publications] H. Shigemori: "Biosynthesis of diterpenoid moiety of brasilicardin A via non-mevalonate pathway in Nocardia brasiliensis"Tetrahedron Lett.. 40. 4353-4354 (1999)