1999 Fiscal Year Annual Research Report
正倉院薬物「冶葛」と関連ゲルセミウム属植物に関する化学的研究
Project/Area Number |
11771375
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北島 満里子 千葉大学, 薬学部, 助手 (60195261)
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Keywords | Gelsemium elegans / Gelsemium sempervirens / Loganiaceae / Cell Culture / Callus / 二次代謝成分 / 正倉院薬物 / 冶葛 |
Research Abstract |
正倉院薬物「冶葛」の起源植物であるマチン科Gelsemium elegansと同属植物G.sempervirensについて、生理活性物質の大量供給とともに新規薬理活性物質や特異なゲルセミウムアルカロイド類の生合成中間体の探索を目的として、組織培養とその成分検索を行い、以下の結果を得た。 1 タイ産G.elegans、北米産G.sempervirensの葉・茎部よりカルスを誘導し、Gamborg's B5あるいはMurashige-Skoog培地に2,4-Dichlorophenoxyacetic acidあるいは1-Naphthylacetic acid(10^<-4>〜10^<-6>_M)とKinetin(10^<-5>〜10^<-7>_M)を添加した固型培地にて培養を行った。また、G.sempervirensカルスについて液体培養を行ったところ、良好な生長を示すことがわかった。これは、本属植物のカルス化に成功した最初の例である。 2 アルカロイド検出試薬で顕著な発色を示したカルスについて、HPLC分析を行ったところ、原植物に含有される主アルカロイドと一致するピークは認められなかった。野生株のアルカロイド生産酵素系がカルスでは発現しない事がわかった。 3 G.Sempervirensより誘導したカルスの中で最も増殖の速いカルスについて成分探索を行った結果、2種のステロールを単離し、それぞれ3β-Hydroxystigmast-5-en-7-one、Stigmast-4-en-6-β-ol-3-oneであることを明らかにした。 4 アグロバクテリウム感染による毛状根培養体の取得並びに他の組織培養体の取得について検討中である。また、RFLP及びRAPD分析を用いた系統解析を行うために、タイ産G.elegans、北米産G.sempervirensからのDNA抽出を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H. Takayama: "Chemistry of Camptothecin and its Related Alkaloids"J. Synth. Org. Chem. Japan (有合化). 57・3. 181-193 (1999)
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[Publications] M. Kitajima: "Two New 19-Hydroxyursolic Acid-Type Triterpenes from 'Peruvian Unade Gato' (Uncaria tomentosa)"Tetrahedron. 56・4. 547-552 (2000)