1999 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドサポリンの生合成機構解明を基軸とする薬用遺伝子資源の探索と利用
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11771376
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市瀬 浩志 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40282610)
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Keywords | 天然有機化合物 / 生合成 / ステロイドサポリン / cDNAクローニング |
Research Abstract |
植物由来のステロール及びトリテルペン配糖体の生合成研究の一環として、ステロイドサポリンを豊富に含む単子葉植物を取り上げ、そのアグリコン部分の骨格形成と配糖体変換に関与する生合成遺伝子群の同定と機能解析を進めている。今回は、Dioscinをはじめとするステロイドサポリンを大量に含むCostus speciosus(Costaceae)を材料として用い、アグリコン骨格形成に関与する、サイクロアルテノール合成酵素のcDNAクローニングを試みた。 培養9週目のplantletの全植物体より抽出したtotal RNAについてoligo(dT)spun columnで精製を行いpoly(A)^+RNAを得た。Poly(A)^+RNAをoligo(dT)primerを用いて逆転写し、得られた1本鎖cDNAを鋳型に、既知のオキシドスクアレン閉環酵素(OSC)においてよく保存されている配列をもとにデザインした縮重入りプライマーによる2段階のPCRを行ったところ約450bpのOSCのコアにあたると見られるPCR産物を得た。塩基配列を決定した結果、主に2タイプのクローン(CSI,CSV)が得られ、CSI,CSVそれぞれArabidopsis thalianaのCycloarteol synthase(CASI)と79%および67%の相同性を、また、同じくA.thalianaのLupeol synthaseとは51%および55%の相同性を示すことが判明した。なお、CSIとCSV間の相同性は75%であった。 上記のコアのフラグメントをプローブとして全長クローンを得るため、現在、cDNAライブラリーの構築を進めている。
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