1999 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性2ーアミノエチルスルフィド類の簡便合成法の開発とその応用
Project/Area Number |
11771380
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武田 良文 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (70311678)
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Keywords | 2-アミノエチルスルフィド / 2-オキサゾリジノン / アルカロイド / キラルリガンド |
Research Abstract |
2-アミノエチルスルフィド類は、有機合成の重要な中間体としてしばしば用いられ、またその光学活性体は有機金属化合物のカルボニル化合物に対する不斉付加反応において有用なキラルリガンドとして働くことも報告されている。2-アミノエチルスルフィド類の最も簡便な合成法としてはアジりジンとチオールを反応させる方法が知られているが、アジりジンは発癌性が指摘されているため現在市販されておらず、その他の方法も複数の工程数を必要とする。 申請者らは2-オキサゾリジノンにチオラートアニオンを反応させると2-アミノエチルスルフィドが高収率で一挙に得られることを見出した。本研究で申請者は、種々の光学活性2-オキサゾリジノン類にチオフェノールを反応させるとそれぞれ対応する光学活性2-アミノエチルスルフィド類が収率良く得られることを明らかとし、本法が簡便でかつ一般性の高い合成法であることを示した。また光学活性2-オキサゾリジノンにチオグリコール酸エチルを反応させると光学活性なチアジノンが、チオサリチル酸メチルを反応させると光学活性なペンゾチアゼピノンがそれぞれ得られ、本法が光学活性な含硫含窒素複素環化合物の合成に応用できることも明らかとした。さらにL-プロリノールから一工程で合成できる光学活性な二環性オキサゾリジノンにチオグリコール酸エチルを反応させると対応する光学活性なチアジノンが得られ、このチアジノンから ipalbidineの合成を達成し、本法がアルカロイド合成に応用できることも明らかとした。
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