1999 Fiscal Year Annual Research Report
チオフラノイドグリカールを利用する4'-チオヌクレオシドの立体選択的合成研究
Project/Area Number |
11771391
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
原口 一広 昭和大学, 薬学部, 助教授 (10218638)
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Keywords | グリカール / ヌクレオシド / チオヌクレオシド / 親電子付加 / 生物活性 / 保護基 / ラジカル還元 / 立体選択的 |
Research Abstract |
4-チオフラノイドグリカールの糖部水酸基をt-butyldimethylsilyl基(1)、1,1,3,3-tetraisopropyldisiloxane-1,3-diyl基(2)およびdi-t-butylsilyl基(3)で保護した三種類の基質を合成した。グリカール1をアセトニトリル中、シリル化したウラシルの存在下,フェニルセレネニルクロリドとの反応を行ったところ目的とするβ-4'-チオヌクレオシド(4)とその立体異性体であるα-4'-チオヌクレオシド(5)の混合物が得られ、生成比は4/5=4/1であった。一方、環状の保護基で保護した2あるいは3に対して、同様の反応条件下親電子付加反応を行ったところ、TlPDS-グリカール2の場合、β-ヌクレオシドとα-ヌクレオシドの生成比は18:1仁改善され、更に、DTBS-グリカール3に対する親電子付加反応では2'-デオキシ-β-4'-チオ-2'-フェニルセレノヌクレオシドを単一の立体異性体として得ることに成功した。本反応は核酸塩基としてチミン、親電子剤としてN-ヨードコハク酸イミドを用いても進行することが判り、対応するチミンヌクレオシドあるいは2'-デオキシ-2'-ヨード誘導体を得ることができた。 本合成法により得られた4'-チオヌクレオシドはフェニルセレノ基あるいはヨード基のラジカル的な還元により2'-デオキシ体へ変換可能であった。また2'-デオキシ-2'-ヨード体を塩基で処理することによりO^2,2'-シクロ誘導体を得ることができ、このものの酸処理によりアラビノ体へ、塩基処理によりリボフラノシル体へ変換することができた。
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[Publications] 原口一広: "Stereoselective synthesis of 4'-Thionucleoside from 4-Thio Furanoid Glycal"Nucleic Acids Symposium Series. 17-18 (1998)
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[Publications] 原口一広: "Electrophilic Addition to 4-Thio Furanoid Glycal: a Highly Stereoselective Entry to 2' -Deoxy-4'-Thio Pyrimidine Nucleosides"Tetrahedron Letters. 39. 3713-3716 (1998)