1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771392
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
東屋 功 北里大学, 薬学部, 講師 (50276755)
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Keywords | 固相法 / グリコシド / グリコシル化 / リンカー / コンビナトリアル合成 / 糖鎖 |
Research Abstract |
本年度は、樹脂上における糖鎖伸長に用いる新たなグリコシル化反応の探索を行った。これまでに、糖ドナーとアクセプターアルコールをβ-炭酸エステルで結合した混合カルボナートが、化学量論量のTMSOTfにて効率よくグリコシドを与えるという脱炭酸グリコシル化を開発していたが、今回新たに、わずか2mol%のHf(OTf)_4がこの反応を触媒する事を見いだした。グリコシル化法としては画期的な触媒量であり、他の添加物も不要であることから、今後糖鎖の固相合成法への応用が期待される。さらに古典的な交差実験を行い、脱炭酸グリコシル化反応が分子間で進行することを証明した。このことから、一度の脱炭酸反応で3糖以上を結合させるとき、ドナー部は同じ糖であることが必要と考えられる。実際、アクセプターにに対し2つの同一のドナーを混合カーボナートとして結合し、一度に脱炭酸させることで分岐3糖の合成に成功した。また、α-炭酸エステルで結合した混合カルボナートは、化学量論量のTMSOTfにおよび2mol%のHf(OTf)_4では活性化されず、20mol%のHf(OTf)_4でグリコシドを与えた。この反応性の違いにより、脱炭酸グリコシル化を糖鎖合成に用いる際、α-炭酸エステルを樹脂への一時的なリンカーとして用いうると考えられる。
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