1999 Fiscal Year Annual Research Report
強力な免疫抑制活性を有するスフィンゴ糖脂質Plakoside Aの合成研究
Project/Area Number |
11771393
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
青柳 裕 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (70212389)
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Keywords | Pkaloside A / スフィンゴ糖脂質 / 免疫抑制活性 / 合成 / リパーゼ |
Research Abstract |
Plakoside Aは、強カな免疫抑制活性を有するスフィンゴ糖脂質であり、シクロプロパン環を有する高級脂肪酸、イソペンテニル化されたガラクトース、およびスフィンゴシン部分からなっているユニークな天然物である。これらのセグメントの内、本年は、Plakoside Aの基本骨格となるスフィンゴシン塩基部分の合成を検討した。ところで、スフィンゴシン塩基部分は、Williamsラクトンを用いることにより容易に合成できるものと考えられる。Williamsラクトンは、市販品としても入手可能であるが、高価である。今後、構造活性相等の研究において標記ラクトンの大量供給が必要てあることを考え合わせると、ここで本ラクトンの簡便な合成法を確立することは必要である。そこで、リパーゼによるベンゾインの光学分割を鍵反応とする標記ラクトンの合成法の検討を行った。ベンゾインを用い、種々のリパーゼ、溶媒、温度および含水量をかえて反応を行った。その結果、THF中リパーゼTLを用い、ビニルアセテートをアシルドナーとして利用し室温で反応を行ったところ完全な光学分割(化学収率50%、光学純度96%ee以上)を達成した。この時、リパーゼの含水量が反応の化学収率、生成物の光学純度を左右する大きなファクターであることも判明した。更に、アニソインについても検討を行ったが同様の結果を得ている。次に、ここで得られたペンゾイン類をオキシムに誘導したのち接触還元を行い光学活性アミノアルコールを得た。アミノアルコールからWilliamsラクトンへの誘導は既知であり、ここにリパーゼTLを用いたベンゾイン類の光学分割を経たWilliamsラクトンの効率的、実用的な合成への道を開くことができた。
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