1999 Fiscal Year Annual Research Report
非ビアリール型軸不斉アニリドのエナンチオ選択的合成と不斉反応への応用に関する研究
Project/Area Number |
11771394
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
北川 理 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30214787)
|
Keywords | 軸不斉 / 光学活性 / アニリド / 不斉反応 / 不斉触媒 / チタンアルコキシド |
Research Abstract |
これまでほとんど知られていなかった光学活性軸不斉アニリド誘導体の有効な合成方法の開発と、それらの不斉反応への応用を目的に検討を行った。以下にその結果を述べる。 1、光学活性軸不斉アニリド誘導体の効率的な合成方法の開発とキラル分子としての利用 光学活性軸不斉アニリドの合成において、当初、不斉アルキル化や不斉アシル化などを利用するエナンチオ選択的合成を試みたものの、満足すべき結果は得られなかった。しかしながら、新たにパントラクトンを用いる光学分割法を見い出し、種々の軸不斉アニリド誘導体を光学的に純枠な形で得ることに成功した。さらに、このようにして合成した光学活性軸不斉アニリドを用い、高選択的な不斉カルボニル付加反応や不斉ヨードラクトン化反応の開発にも成功し、これらのキラル分子としての有用性も明かにした。 2、軸不斉アニリド誘導体を不斉配位子として用いる不斉ルイス酸触媒の開発 マンデル酸とortho-tert-ブチルアニリンより合成したアニリド誘導体のキレート型チタン錯体が、メ、ソ型エポキシドの不斉開環反応の際の有用な不斉触媒になりうることを明かにした(シクロヘキセンオキシドのチオールによる開環反応で不斉収率が89%eeまで向上した)。今後さらに反応の一般性を図ると共に、エナンチオ選択性発現機構についても明かにするつもりである。
|