1999 Fiscal Year Annual Research Report
海産エイコサイドAgardhilactone の合成研究
Project/Area Number |
11771395
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮岡 宏明 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10231622)
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Keywords | agardhilactone / エイコサノイド / 海洋天然物 / 合成 / スルホン / シクロペンタン / オレフィンメタセシス |
Research Abstract |
Agardhilactoneは、紅藻Agardhiella subulataより得られたエイコサノイドであるが、本化合物は微量成分であるため、その立体配置は未決定であり、生物活性も検討されていない。そこで、agardhilactoneの全合成を目指し、本年度はagardhilactoneのシクロペンタン部の合成を行った。また、アリルフェニルスルホンを用いたone-potシクロアルカン合成の一般性についても検討した。 まず、アリルフェニルスルホンのアニオンと脱離基を有するエポキシドのone-pot反応によるシクロアルカン合成を検討したところ、本反応は、特にシクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサンの合成に有効であることが明らかになった。本反応をagardhilactoneのシクロペンタン部の合成に応用しようと考え、種々の検討を行ったが、高収率でagardhilactoneのシクロペンタン部に相当する化合物を得ることはできなかった。 そこで合成計画を修正し、オレフィンメタセシス反応によりagardhilactoneのシクロペンタン部を構築することにした。D-マンニトールより合成したα,β-不飽和-γ-ラクトンに対し、ヨウ化銅存在下、臭化ビニルマグネシウムを作用させ立体選択的に1,4-付加反応を行い、次いでラクトンのα位をアリル化することによりジエンを合成した。ラクトンを還元後、ジエンに対し、Grubbs試薬を作用させることによりオレフィンメタセシス反応を行い、agardhilactoneのシクロペンタン部に相当するシクロペンタン誘導体の合成に成功した。現在、本化合物よりagardhilactoneの合成を検討中である。
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