1999 Fiscal Year Annual Research Report
簡易型レーザー光散乱測定装置の開発とアルツハイマー病治療薬探索への応用
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11771410
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
甲谷 繁 金沢大学, 薬学部, 助手 (00242529)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白質 / レーザー光散乱 / 高速液体クロマトグラフィー / 蛍光偏光解消法 / オリゴマー / 繊維化 / 円二色性スペクトル |
Research Abstract |
本研究により、これまでに明らかになった知見を以下に記す。 1.アルツハイマー病原因物質Aβの繊維化を当研究で開発した簡易型レーザー光散乱装置で追跡したところ0.1M tris-HCl(pH=7.4,35℃)緩衝液中において、60時間後から急激に繊維化が始まることを見出した。 2.繊維化が開始される前の24時間後における緩衝液中のAβの平均分子量は、SDS-PAGE(電気泳動法)により、20〜40kDaであることが分かった。すなわち、繊維化の前段階で形成される可溶性Aβオリゴマーの平均会合数は、24時間後の時点で5〜10個程度であることが確認された。また、Aβ単量体もまだかなりの割合で残っていることも分かった。 3.CDスペクトルの結果から、Aβの2次構造は繊維化が始まるまでの間にランダムコイル構造からβシート構造に変化していることが確認され、可溶性Aβオリゴマー形成とβシート構造との関連が示唆された。 今年度に得られたこれらの知見から、Aβの繊維化が起こる前には、単量体と可溶性Aβオリゴマーとの間に定常的な平衡状態となっている期間がかなり長く存在すると考えられる。問題は、何をきっかけとしてある時点から急激に繊維化が始まるということである。これを解決するために来年度は、現在製作中であるHPLCを用いたAβサイズ分別蛍光偏向解消法によって、各分子量サイズのAβオリゴマーの生成と減衰を時間ごとに追跡し、AβオリゴマーサイズとCDスペクトル測定による2次構造との対応を調べる予定である。
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