1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771414
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
真木 俊英 長崎大学, 薬学部, 助手 (10291535)
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Keywords | 有機スズ / 1,2-ジオール / センサー / 触媒 / ベンゾイル化 |
Research Abstract |
有機スズ化合物とジオール類の相互作用についての検討を行い、以下の知見を得た。 1)ジアルキルチンジハライド型(R_2SnX_2)の有機スズ化合物が、塩基性条件下において、1,2-ジオールを選択的に酸化され易い常態へと活性化させる事を見いだした。1,2-ジオールは、1,3-ジオールより10倍以上速く、有機スズ触媒と錯形成を行うことが示された。 2)上記活性化機構は、有機スズ化合物により1,2-ジオールからの選択的な脱プロトンが促進されることに基づく事を、1,2-ジオールのモノベンゾイル化反応を行うことにより示すことができた。また、この際、反応は少なくとも200回以上の触媒サイクルを形成していることを示しており、センサーとして或る程度の化学的安定性が期待できる。 3)光学活性な有機スズ試薬を用いることにより、末端ジオールの2級水酸基側の立体を識別することができることを見いだした。この際、水分子の存在が、立体認識能を著しく向上させることを見いだした。。 4)上記立体識別能は、末端ジオールに特有なものであり、水が形成する界面上で塩基表面状でジオール分子が高い配向性を維持しており、1,2-ジオールのコンフォメーションが固定化されるためであることを示唆する結果を得た。
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[Publications] F.Iwasaki,T.Maki,W.Nakashima O.Onomura,and Y.Matsumura: "Nonenzymatic Kinetic Resolution of 1,2-Diols Catalyzed by Organotin Compound"Organic Letters. 1(7). 969-972 (1999)
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[Publications] F.Iwasaki,T.Maki,O.Onomura W.Nakashima,and Y.Matsumura: "Chemo- and Stereo-selective Monobenzoylation of 1,2-Diols Catalyzed by Organotin Compounds"Journal of Organic Chemistry. (in press).