1999 Fiscal Year Annual Research Report
魚臭症候群の原因の解明と遺伝子治療を目指して:フラビン含有モノオキシゲナーゼノックアウトマウスを用いた研究
Project/Area Number |
11771419
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 佳都夫 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20261323)
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Keywords | 遺伝病 / 魚臭症候群 / 遺伝子ターゲッティング / FMO / ノックアウトマウス / トリメチルアミン / ES細胞 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)のノックアウトマウスの作製のため、マウスの遺伝子より、遺伝子ライブラリーのスクリーニングあるいは、ロングディスタンスPCRを行って、FMO1、FMO3およびFMO5の遺伝子を単離した。このうち、ヒトにおいてはFMO3が魚臭症候群の原因となる物質、トリメチルアミンの酸化的代謝反応に主要にかかわり、本酵素活性の遺伝的な欠損が魚臭症候群の原因である可能性が提唱されているため、本年度はFMO3遺伝子に焦点を絞り、FMO3遺伝子をノックアウトするためのターゲッティングベクターの構築を行った。FMOの場合、第2エクソンにコードされている領域に酵素活性発現のために必須なFADの結合ドメインを含んでいるため、第2エクソンをつぶすことによりFMO活性を完全に欠失させることができると考えられる。そこで、FMO3遺伝子の第2エクソンの部分に、翻訳領域をつぶし同時に発現を調べることができるようにLacZ遺伝子をノックインした。また、ポジティブ選別のためにneo耐性遺伝子をLacZの下流に連結した。これらはLacZ遺伝子のATG周りの塩基配列をPCRで改変し、インフレームで挿入されるように設計した。最終的にネガティブ選別のためにジフテリア毒素Aフラグメント(DT-A)遺伝子を組み込んでターゲッティングベクターとした。以後、マウスのES細胞に作製したターゲッティングベクターを導入し、組み換えを行って選別を行ない、相同組換え体を解析後、マウス胚に注入し、仮親の子宮に移植してキメラマウスを出産させる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasumasa Sasaki, et al.: "Cooperative regulation of CYP2C12 gene expression by signal transducer and activator of transcription 5 (STAT5) and liver-specific factor in female rats"Journal of Biological Chemistry. 274. 37117-37124 (1999)
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[Publications] Eri Inoue, et al.: "Development of bacterial expression system with high yield of CYP3A7, a human fetus-specific form of Cytochrome P450"Biochemical Biophysical Research Communications. (in press).
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[Publications] Taisei Mushiroda, et al.: "The Suncus (Suncus murinus) shows poor metabolic phenotype for trimethylamine N-oxygenation"Toxicology and Applied Pharmacology. (in press).
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[Publications] 中山佳都夫: "別冊 医学のあゆみ 消火器疾患"医歯薬出版株式会社. 562 (1999)