1999 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存症L型カルシウムチャネルにおけるゲーティング制御の分子機構
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11771426
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤羽 悟美 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00184185)
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Keywords | 電位依存性L型Ca^<2+>チャネル / Ca拮抗薬 / Ca^<2+>チャネルアゴニスト / Dihydropyridine / αICサブユニット / Ca^<2+>チャネル / ゲーティング |
Research Abstract |
電位依存性L型Ca^<2+>チャネルゲーティング制御について下記の3点を検討した。(1)Ca拮抗薬を膜電位依存性とその組織選択性の分子的基盤を明らかにする目的で、vivoおよびtissueレベルでの薬理研究データが豊富に蓄積されているラットについて、各組織におけるL型Ca^<2+>チャネルα_<1C>サブユニットのsplice variantの種類と分布をRT-PCR法およびRNAse protection assayにより解析し、その機能的意義について電気生理学的に解析した。その結果、splice variantのパターンは心筋型、平滑筋型、脳型および分泌細胞系型に大別でき、心筋型と平滑筋型の間ではIS6およびIVS3に違いが見られることを明らかにした。特にIS6における両タイプのsplice variantに対応する改変Ca^<2+>チャネルチャネルをBHK6細胞に一過性に発現させたところ、平滑筋型Ca^<2+>チャネルの方が電位依存性不活性化を受けやすく、dihydropyridine(DHP)系Ca拮抗薬の作用が心筋型に比べて強くその差は膜電位依存的に強まることが明らかとなった(第73回日本薬理学会年会で発表予定、投稿準備中)。(2)S(-)Bay K 8644などのDHPCa^<2+>チャネルアルゴニストの作用発現にL型Ca^<2+>チャネルα_<1C>サブユニットIIIS5-S6リンカー部分のserine残基(rbCII:S1115)が必要不可欠であることを初めて示した。これまでIIIS5,IIIS6,IV5,IVS6などの膜貫通ドメインにDHP結合部位が同定されているがリンカー部分については報告がなかった。S1115Aなどの改変チャネルはCa^<2+>チャネルとしての電気生理学的性質や他のCa拮抗薬の作用には変化なく、DHP系Ca拮抗薬の作用は弱く、Ca^<2+>チャネルアゴニストに対する感受性を完全に欠失していた。よって、Ca^<2+>チャネルアゴニストがserine残基を介してCa^<2+>チャネルのゲーティングに伴うIIIS5-S6リンカー部分の構造変化をmodifyすることによりCa^<2+>チャネルアゴニストとしての作用を発現すると考えられる(第73回日本薬理学会年会で発表予定、投稿準備中)。(3)ラット電位依存性L型Ca^<2+>チャネルα_<1C>サブユニットの細胞内カルボキシル末端ドメインと相互作用するタンパクを酵母two-hybridスクリーニング法で検索した結果、陽性反応を示すタンパクを見いだした。現在、その相互作用の機能的意義を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Adachi-Akahane,S.et al.: "BAYK8644 modifies Ca^<2+> cross signaling between DHP and ryanodine receptors in rat ventricular mvowtes."Am.J.Physiol.. 45. H1178-H1189 (1999)
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[Publications] Adachi-Akahane,S. and Nagao,T.: ""Ca^<2+>channnel antogonists"(Book chapter) in Pharmacology of Ionic Channel Function:Activators and Inhibitors."Editons:Endo,M,Kurachi,Y,and Mishina,M.Publisher:springer(in press). (2000)