1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規リゾリン脂質性メディエーター"リゾPS"の生体内機能と作用機能の解明
Project/Area Number |
11771428
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 淳賢 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20250219)
|
Keywords | ホスファチジルセリン / リゾホスファチジルセリン / ホスホリパーゼA_1 / PS-PLA_1 / マスト細胞 |
Research Abstract |
ホスファチジルセリン特異的ホスホリパーゼA_1(PA-PLA_1)は、PS、リゾPSを特異的に分解する分泌性ホスホリパーゼである。PS-PLA_1はリパーゼファミリーの新しいメンバーであり、ラット血小板よりIIA型ホスホリパーゼA_2(sPLA_2)と共に分泌される。今回、PS-PLA_1が、ラット腹腔マスト細胞からの抗原依存的なヒスタミン放出を促進すること、また各種炎症刺激により発現量が上昇し、炎症局所に分泌されることを見出した。 (1)無処理ラットの各種臓器・血球系細胞のノーザンブロットを行うと、PS-PLA_1は血小板に極めて多く、臓器では主として肺、心臓に発現が見られた。(2)ラットにリポ多糖(LPS)を静注し、24時間後に摘出した臓器のノーザンブロットを行うと、ほとんどの臓器においてPS-PLA_1 mRNAの発現が対照に比べて上昇した。同時に採取した血漿中の酵素量も増加したことより、臓器で産生されたPS-PLA_1の少なくとも一部は血液中に放出されていることがわかった。(3)カゼイン誘導ラット腹腔滲出液中に本酵素を検出した。この経時変化はsPLA_2と比較してやや遅発性であった。(4)ザイモザンおよびカラゲニン胸膜炎モデルラットの滲出液を解析し、本酵素の分泌量が経時的に増加することを見出した。(5)ラット肝癌由来細胞株McARH7777にTNF-α、IL-1αを添加すると、TNF-αによりPS-PLA_1mRNAの発現が上昇した。 PS-PLA_1の発現はsPLA_2と同様に炎症刺激によって誘導されることが明らかとなった。しかし経時変化やサイトカインに対する応答性の違いを考えると、その誘導機構はsPLA_2とは異なっていることが示唆された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Nagai,Y.et al.: "An altemative splicing from of phosphatidylserine-specific phospolipase A1 that exhibits lysophosphatidylserine-specific lysophospholipase activity in humans."J.Biol.Chem.. 274. 11053-11059 (1999)
-
[Publications] Manya,H.et al.: "Biochemical characterization of various catalytic complexes of the brain platelet-activating factor acetylhydrolase."J.Biol.Chem.. 274. 31827-31832 (1999)
-
[Publications] Ho,Y.S.et al.: "Probing the substrate specificity of the intracellular brain platelet-activating factor acetylhydrolase."Protein Eng.. 12. 693-700 (1999)
-
[Publications] Bandoh,K.et al.: "Molecular cloning and characterization of a novel human G-protein-coupled receptor,EDG7,for lysophosphatidic acid."J.Biol.Chem.. 274. 27776-27785 (1999)
-
[Publications] Sapir,T.et al.: "Analysis of lissencephaly-causing LIS1 mutations."Eur.J.Biochem.. 266. 1011-1020 (1999)