1999 Fiscal Year Annual Research Report
粘菌レクチンをモデルタンパクとした機能性タンパクの分泌とその制御機構の解析
Project/Area Number |
11771430
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
守田 雅志 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (20191033)
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Keywords | 真正粘菌 / 分泌 / レクチン / ポリクローナル抗体 / RT-PCR / 過剰発現細胞 |
Research Abstract |
粘菌レクチンをモデルタンパク質として用い、小胞体を介さないタンパク質の分泌の制御機構について調べる目的で、本年度は粘菌におけるレクチンの分泌について調べ、さらにレクチンに対する抗体の作製及び動物細胞でのレクチンの発現を行った。その結果、新たな知見が得られたので報告する。 1、粘菌のレクチン分泌 真正粘菌Physarum polycephalumの変形体を、様々な培地で培養したところ、培地中のレクチン活性は培地の種類に応じて大きな変動が認められた。このことから、レクチンは様々な外部環境の変化に応じてその分泌が調節されていることが示唆された。 2、粘菌レクチンに対する抗体の作製 粘菌変形体よりmRNAを調製し、RT-PCR法により、レクチン遺伝子をクローニングした。このレクチン遺伝子を発現ベクターに組み込み、大腸菌で組換えレクチンを大量に発現した。イオン交換カラムとアフィニティーカラムで精製した組換えレクチンをウサギに免疫し、ポリクローナル抗体を作製した。抗体の特異性の確認はウエスタンブロット法により行った。その結果、特異性の高い抗体を得ることができた。以降の実験ではこの抗体を用い実験を行った。 3、粘菌レクチンの動物細胞での発現 粘菌レクチン遺伝子を動物発現用ベクターpCDNA3.1+に組み込み、CHO細胞にトランスフェクトした。クローニングした細胞の中から目的のタンパクを発現している細胞をイムノブロッティング法で調べた。その結果いずれの細胞でも高い発現は認められなかった。原因としてレクチン自体がCHO細胞に毒性を示す可能性が示唆された。今後、レクチン活性を欠いた変異レクチンを発現する方法を検討する予定である。
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[Publications] Okamura, S. et al.: "Isotype-specific changes in the amount of β-tubulin RNA in synchronized tabacco BY2 cells."Cell Structure and Function. 24. 117-122 (1999)
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[Publications] Nakagawa, T. et al.: "Peroxisomal membrane protein pmp47 is essential in the metabolism of middle-chain fatty acid in yeast peroxisomes and is associated with peroxisome proliferation"Journal of Biological Chemistry. 275. 3455-3461 (2000)