2000 Fiscal Year Annual Research Report
極めて稀な構造をしたヒト筋型CPTI遺伝子の転写調節機構の解明
Project/Area Number |
11771437
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山崎 尚志 徳島大学, 薬学部, 助手 (20271083)
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Keywords | カルチニン / CPTI / ミトコンドリア / 脂肪酸β酸化 / 遺伝子構造 |
Research Abstract |
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPT I)はミトコンドリアにおける長鎖脂肪酸の分解に必須のタンパク質で、中でも心臓や筋肉、褐色脂肪細胞など脂肪酸代謝の盛んな組織において特異的に発現している筋型CPT Iの働きはこれらの組織での脂肪酸分解の最初の調節段階となっている.従って筋型CPT Iの遺伝子構造の解析は、生体の脂肪酸代謝機構の詳細さらにはその異常症の治療法の開発にも繋がると考えられる.これまでに我々はヒト筋型CPT I遺伝子のすぐ上流にコリン/エタノールアミンキナーゼ(CK/EK)をコードする遺伝子が同じ方向で存在することを明らかとし、さらに、上流に存在するCK/EKと筋型CPT Iの両方の遺伝子領域を含んだmRNAが存在すること、すなわち2つの遺伝子領域を含んだmRNAが存在するという、極めて稀な事象を見いだした. 本研究ではこのmRNAの構造解析を行った.特異的なRT-PCRにより本mRNAは筋型CPT IのmRNA領域を全て含んでいることが示された.またラットおよびマウスにおける解析結果も併せた結果、このmRNAは (1)両遺伝子の間は非常に狭いため、CK/EK遺伝子のプロモーターに結合したRNAポリメラーゼはCK/EK領域の転写、さらにそのまま筋型CPT I領域の転写も行い、両遺伝子領域が含まれている一次転写産物が合成される. (2)CK/EKのmRNAへのポリ(A)鎖付加の前に、スプライシングによりCK/EKと筋型CPT Iの遺伝子領域が結合する. という過程を経て産生されると推察された.この推察が正しい場合、我々が見いだした両方の遺伝子領域を含んだmRNAはCK/EKと筋型CPT Iを合成するための全ての情報を含んでいると考えられる.今後、このmRNAの生理的な役割を解明していきたい.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Daikoku et al: "Specific elevation of transcript levels of particular protein subtypes induced in brown adipose tissue by cold exposure"Biochim.Biophys.Acta. 1457. 263-272 (2000)
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[Publications] N.Yamazaki et al.: "Novel Expression of Equivocal Messages Containing Both Regions of Choline/Ethanolamine Kinase and Muscle Type Carnitine Palmitoyltransferase I"The Journal of Biological Chemistry. 275. 31739-31746 (2000)
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[Publications] Y.Shinohara et al.: "Characterization of porin isoforms expressed in tumor cells"Eur.J.Biochem.. 267. 6067-6073 (2000)
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[Publications] C.Aoyama et al.: "Structure and characterization of the genes for murine choline/ethanolamine kinase isozymes α andβ^1"Journal of Lipid Research. 41-3. 452-464 (2000)