1999 Fiscal Year Annual Research Report
ホルムアルデヒドによるホルムアルデヒド酸化酵素系誘導機構の解析
Project/Area Number |
11771439
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
伊藤 潔 長崎大学, 薬学部, 助教授 (50201926)
|
Keywords | ホルムアルデヒド / 脱水素酵素 / 大腸菌 / レプレッサー / DNA結合タンパク質 / 誘導 / 発現調節 |
Research Abstract |
大腸菌のfalAによってコードされているグルタチオン依存型ホルムアルデヒド脱水素酵素のホルムアルデヒドによる発現調節を解析した。falA遺伝子はfalRABからなるオペロンとして制御されており、通常はfalRが自身を含めた発現を制御している。種々の上流領域欠失プラスミドを作製して調べた結果とプライマー伸長反応の結果から主要なプロモーターはfalRの上流に存在する約50bpの配列で、転写開始点はfalRの開始コドンの19bp上流のGであることを明らかにした。また、ホルムアルデヒド非存在下での抑制にはその上流の約30bpが必要であることがわかった。この上流領域にPCRを利用したランダム変異を導入してホルムアルデヒド存在下、比存在下でのfalA発現レベルが変化しているクローンをスクリーニングした。ホルムアルデヒド比存在下においても高発現しているクローン2個を得た。これらの塩基配列を調べた結果、どちらのクローンとも転写開始点の上流-52に位置するTがAあるいはCに変異していた。falR遺伝子のオープンリーディングフレームにヒスチジンタグを付加してFalRタンパク質を発現させ、Ni-キレートカラムを用いて精製した。発現抑制に必要と考えられる30bpの配列を含む69bpの断片を^<32>Pで標識し、精製したFalRタンパク質を用いてゲルシフト分析を行ったところ両者の複合体のシグナルを検出することができた。さらに、塩基性アミノ酸に着目してFalRの部位特異的変異体を作製してそれらの抑制能力を調べた結果、N末端側に存在するLys9とArg17がFalRの機能に非常に重要であることが判明した。
|