1999 Fiscal Year Annual Research Report
B.cereus菌由来スフィンゴミエリナーゼの立体構造と触媒機構の解明
Project/Area Number |
11771458
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
藤井 忍 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (80218966)
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Keywords | スフィンゴミエリナーゼ / 触媒機能 / 酵素阻害剤 / 基質アナログ |
Research Abstract |
1.B..cereus菌由来スフィンゴミエリナーゼの酵素作用に及ぼすAsp126とAsp156の役割を調べるために、それぞれの残基をGlyに置換した変異体を用いて実験を行い、Asp126のカルボキシル基が解離すると基質に対する結合力は増大するが、触媒作用は低下することを明らかにした。他方、Asp156のカルボキシル基の解離の役割に関する知見は得られなかったが、この残基は基質に対する結合力と触媒作用を共に低下させることを示した。 2.本酵素の結晶化条件を決定するために、酸素溶液の動的光散乱を測定したが、粒子サイズ分布が多様相を示したため、この溶液は結晶化に適さないことがわかった。そこで、酵素溶液をゲル濾過クロマトグラフィーにより分離した画分を濃縮し、動的光散乱を測定したところ、小幅な単一相を示したので、この溶液を結晶化に用いることした。現在、結晶化に用いる沈殿剤等を検討している。 3.本酵素の触媒機構を明らかにするため、スフィンゴミエリンのリン酸エステル部分をホスホン酸に置換した基質アナログの合成に着手し、合成法を確立した。得られた基質アナログの阻害実験を行った結果、1mMの基質溶液を用いた場合の50%阻害濃度は0.1mMとなった。しかし、スフィンゴミエリナーゼのTrp残基に基づく蛍光強度の変化からは、基質アナログとの直接結合は確認出来なかった。今後、CD(円二色性)スペクトルやBIACORE(表面プラズモン効果)を用いてスフィンゴミエリナーゼと基質アナログとの直接結合を確認すると共に、この基質アナログの構造類似体を合成し、より強力な阻害剤の開発を行う予定である。
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Research Products
(1 results)