1999 Fiscal Year Annual Research Report
安全で高効率長期遺伝子発現を可能とするアデノーEBハイブリッドベクターの開発
Project/Area Number |
11771476
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
水口 裕之 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 研究員 (50311387)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / EBウイルス |
Research Abstract |
本研究では、全てのウイルス遺伝子を欠損させたgutlessアデノウイルスベクターに付与する遺伝子として、EB(Epstein-Barr virus)ウイルスの潜伏感染装置であるEBNA1(Epstein-Barr nuclear antigen-1)とOriPの配列を組み込んで、効率が良く安全で長期的な遺伝子発現が可能なハイブリッドベクターの開発を目指している。そこで、アデノーEB八イブリッドベクターの作製のため、EBNA1とOriP配列を有するプラスミドが環状DNAとして染色体外で自立複製することをpREP10プラスミドを用いて確認した。まず、ルシフェラーゼ発現pREP10プラスミド(pREP10-L1)を作製し、このプラスミドを培養ヒト肝細胞SKHep1に導入した。一ヶ月後、得られたハイグロマイシン耐性細胞より染色体外DNAを抽出し、制限酵素DpnIまたはMboIで処理した後、サザンブロットを行い、導入プラスミドのSKHep1細胞中での複製能を検討した。その結果、pREP10-L1に存在するEBNA1とOriP配列が機能し、pREP10-L1がSKHep1細胞中で効率よく複製することが確認された。そこで、pREP10由来のEBNA1とOriP配列、モデル遺伝子としてヒトα1-アンチトリプシン(hAAT)およびゼオシン耐性遺伝子を有したアデノウイルスベクター、その対照としてhAATおよびゼオシン耐性遺伝子を有したアデノウイルスベクター、さらにCre発現アデノウイルスベクターをIn vitroライゲーション法により作製した。 現在、増殖させた各ベクターを元に、相同組換法によりgutlessアデノウイルスベクターを作製している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 水口裕之、早川堯夫: "アデノウイルスベクター作製技術と次世代ベクターへの応用-ファイバーミュータントアデノウイルスベクターを中心として-"日本臨床. (in press).
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[Publications] 水口裕之、早川堯夫: "アデノウイルスベクターの最近の進歩-免疫反応の抑制を目指した改良型ベクターの開発を中心に-"蛋白質核酸酵素. 44. 1405-1414 (1999)
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[Publications] 水口裕之、早川堯夫: "In vitroライゲーションに基づいた簡単なアデノウイルスベクター作製法"細胞工学. 18. 1824-1827 (1999)
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[Publications] Hiroyuki Mizuguchi,Zhili Xu,Akiko Ishii-Watabe,Eriko Uchida,Takao Hayakawa: "IRES-dependent second gene expression is significantly lower than cap-dependent first gene expression in a bicistronic vector"Mol.Ther.. (in press).
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[Publications] Imazu S.,Nakagawa S.,Nakanishi T.,Mizuguchi H.,Uemura H.,Yamada O.,Mayumi T.: "A novel nonviral vector based on vesicular stomatitis virus"J.Control.Release. (in press).