1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771482
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小出 のり 北里大学, 薬学部, 助手 (70296515)
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Keywords | メチル水銀 / 耐性 / AMF法 |
Research Abstract |
本研究では、メチル水銀に対する耐性因子検索するため、ラットpheochromocytoma(PC12)細胞より樹立したメチル水銀耐性細胞(PC12/TM)及び、その親株において発現量が異なっている遺伝子を解析している。すでにPC12/TM細胞においてメチル水銀の蓄積量がPC12細胞より顕著に少ないことがわかっているので、まず薬物排泄ポンプであるGS-XポンプファミリーのMRP-1、cMOAT、SMRP、MLP-1、及びMLP-2についてcDNA断片をクローニングし、ノーザンブロット解析を行った。しかし、いずれのmRNAレベルにもPC12、PC12/TM両細胞間で発現量に差は認められなかった。次にPC12及びPC12/TM細胞間で発現量の異なる遺伝子をAMF(AFLP-based mRNA fingerprinting)法により検索した。AMF法は発現量の異なるmRNAをPCRを用いて検出する方法で従来のDifferential Display法よりも疑陽性の少ない方法である。このAMF法により検出した総数約14,000種類のfragmentのうち、PC12/TM細胞の方が発現量が高いものは101種類、PC12細胞の方が高かったものは128種類あった。PC12/TM細胞で顕著に発現量の高いと思われる31種類についてノーザンブロット解析を行い確実にmRNAレベルが高い10種類の遺伝子断片を得た。これらの遺伝子の塩基配列を決定した結果、tyrosine hydroxylase、接着因子やケラチンなどの膜蛋白質及び未知の蛋白質をコードすることがわかった。次年度は更に多くのfragmentについてノーザンブロット解析を行うと同時に、得られた遺伝子のcDNAをクローニングし、PC12細胞で強制発現させ、メチル水銀への感受性が変化するかどうかを検討する。
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