1999 Fiscal Year Annual Research Report
集中治療部における医師チームの処方行動の合意形成とその妥当性に関する介入研究
Project/Area Number |
11771488
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福岡 敏雄 名古屋大学, 医学部, 助手 (80260595)
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Keywords | 処方行動 / 合意形成 / 医療情報 / 治療効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)集中治療部における医師の処方行動を、専門集団の合意形成という視点から検討し、形成された合意がどの程度適切と考えられるか、さらに不適切な合意を避けるために必要な条件・情報などを明らかにすること、2)必要と思われた情報などを提供することで実際に合意形成がどう変化するか検討することの2つである。本年度は1)に関する調査を行い、2)に向けた準備を行った。集中治療部内で、集中治療部入室中の患者に対する投与薬剤のうち20種類程度を選び、その治療目的、治療効果、その期待度の3点について集中治療部専従医、患者主治医に連日意識調査を行った。この結果、1)昇圧剤や利尿剤のように効果の指標がわかりやすい薬剤に関してはその使用に当たって治療目的、治療効果、効果の期待度について一致率が高かった。2)蛋白分解酵素阻害薬や免疫剤、予防的に使われる抗潰瘍剤などではこれらの評価は必ずしも一致していなかった。3)薬剤によっては治療効果があまり期待できないと思いつつ使用されているものもあることが判明した。この研究の結果により、日常診療の中で判断のあいまいな部分を明らかにするができた。この結果を踏まえ、評価が割れたり期待度の低い薬剤の効果について、文献情報を収集しそれを集計した。この情報の妥当性を十分検討した上で、それぞれの薬剤とその使用目的に関して一定の推奨を作成中である。平成12年度はこの情報提供に伴いどのような処方行動や薬剤に対する意識の変化が起こるかを引き続き調査する予定である。この研究内容の一部は、「集中治療」2000年2月号に発表した。
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Research Products
(1 results)