1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヨードシンポーターに対する自己抗体と甲状腺機能低下症に関する研究
Project/Area Number |
11771508
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日高 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30243231)
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Keywords | ヨードシンポーター / 自己免疫性甲状腺炎 / 甲状腺機能低下症 / フローサイトメーター |
Research Abstract |
ヨードシンポーター(NIS)に対する自己抗体を有する自己免疫性甲状腺炎患者では、ヨードの細胞内への取り込み障害が起こり、甲状腺機能低下症になるのではないかと私たちは推定しており、それを証明することが本研究の目的である。患者血中のNISに対する自己抗体を検出するため、まず最初にNISを細胞表面に高密度で発現している細胞を得ることにした。ヒトのNISのcDNEを発現ベクターに組込みHEK細胞に遺伝子導入し、G418の入っている培地で育て、NIS陽性HEK細胞株を選択した。つぎにウサギをヒトNISのC末端の15アミノ酸で免疫してNIS抗体陽性ウサギ血清を作成し、この血清とNIS発現細胞とを反応させ、さらにFITC標識抗ウサギIgG抗体を加え、フローサイトメーターで蛍光の有無を調べた。蛍光陽性細胞が90%を占めていたため、NISが細胞表面へ発現していることが明らかになった。さらにヒト血清中の自己抗体を鋭敏に検出するためにはNISを少しでも多く発現している細胞を得る必要があると考え、リミティングダイルーションで、より蛍光強度の強いクローン、つまりNISをより多く発現している細胞を選択した。以上のように、ウサギのNIS抗体を検出する測定系が確立したため、つぎに自己免疫性甲状腺炎患者血中のNIS抗体の有無を検討した。NIS陽性細胞と自己免疫性甲状腺炎患者血清を反応させ、さらにFITC標識抗ヒトIgG抗体を加え、フローサイトメーターで調べた。自己免疫性甲状腺炎患者血清もNIS陽性細胞に結合したが、残念なことにNISを発現していないHEK細胞にも患者血清が結合し、このままでは自己抗体を特異的に検出することができないことが明らかになった。来年度はこの問題点を解決し、自己抗体の有無と甲状腺機能との関係を検討する予定である。
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[Publications] Motoshi Okumura: "CD30 expression and intereukin-4 and interferon-γ production of intrathyroidal Iymphocytes in Graves' disease."Thyrodi. 9・4. 333-339 (1999)
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[Publications] Aya Yagoro: "Pospartum onset of acute heart failure possibly due to postpartum autoimmune myocarditis: a report of the three cases"Jourmal of Internal Medicine. 245・2. 199-203 (1999)
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[Publications] Yukihiko Watanabe: "Polyethylene glycol increases the detection of anti-thyrotropin (TSH) receptor antibodies by a radioreceptor assay"Clinical Chemistry. 45・3. 407-409 (1999)
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[Publications] Takashi Iijima: "Incidence of postpartum onset of disease among patients with rheumatoid arthritis,"Journal of Rheumatology. 26・3. 755-756 (1999)
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[Publications] Masahiro Kimura: "Enzyme immunoassay for autoantibodies to human liver-type arginase and its clinical application"Clinical Chemistry. 46・1. 112-117 (2000)
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[Publications] Yuki Shimaoka: "Changes in cytokine production during and after normal preganacy"American Journal of Reproductive Immunology. (発売予定). (2000)