癌腫における転移機序およびその抑制作用に関する研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11771512
• Research Institution: Kitasato University
• Principal Investigator: 狩野 有作 北里大学, 医学部, 講師 (50245388)
• Keywords: α_2macroglobulin(α_2マクログロブリン) / prostate cancer(前立腺癌)

Research Abstract

癌細胞の浸潤,転移にマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)などのプロテアーゼが関与し,その抑制因子としてTIMP-1,TIMP-2およびα_2macroglobulin(α_2M)などのプロテアーゼインヒビターの関与が注目されている。
我々は,血中α_2Mの着明に低下する症例(以下α_2Mは乏症)を初めて報告したが、それらはすべて骨転移を伴う前立腺癌であった。そして,その発症機序として,α_2Mとプロテアーゼのcomplexの形成による異化の亢進が関与することを明らかにした。さらに,ヒト前立腺癌培養細胞PC3を用いたin vitro invassion assayにより,プロテアーゼインヒビーターであるα_2Mを添加することにより癌細胞の基底膜浸潤能が抑制されることを認めた。

Research Products

• [Publications] 益子貴臣,狩野有作,大谷英樹: "血清α_2macroglobulinの測定法 その分子heterogenityについて"臨床病理. 47(5). 473-478 (1999)
• [Publications] 狩野有作,大谷英樹: "α_2マクログロブリン,検査のポイント"医学書院. 2 (1999)
• [Publications] 狩野有作,大谷英樹: "α_2マクログロブリン(α_2M)"日本臨床. 4 (1999)