1999 Fiscal Year Annual Research Report
人間関係技術領域におけるロールプレイ学習による態度育成-看護学生の態度・行動評価と評価指標の開発-
Project/Area Number |
11771522
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久米 弥寿子 大阪大学, 医学部, 助手 (30273634)
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Keywords | コミュニケーション技術 / ロールプレイング / 学習方法 / 教育評価 / 態度 / 看護学生 / 自己評価 / 評価指標 |
Research Abstract |
本研究では、人間関係技術領域におけるロールプレイ学習の評価指標を検討し、実際に評価する。それに基づき、効果的なロールプレイングを明らかにし、教育評価に基づいて効果的な態度育成のための教育的介入方法を検討することを目的としている。そこで平成11年度は、(1)文献検索、資料収集による分析方法・評価指標の検討、および(2)ロールプレイング学習に関連した看護学生の行動・態度分析を行った。また、評価結果の一部を第9回看護学教育学会で発表した。 1.文献検索、資料収集による分析方法、評価指標の検討:関連文献の検索により、ロールプレイング学習法は、人間関係技術が必要とされる人材育成の場面で幅広く用いられる手法であることが確認された。しかし、ロールプレイングにおける教育目標の相違などにより、その評価方法に対しては統一見解はなく、また、客観的な評価尺度も不十分である。特に、学習者自身が評価する自己評価法が中心であり、記述式データを分析する傾向が見られた。その他、学習者のリーダーシップ行動や役割評価チェックリストを用いて参加状況を評価する視点や不安感や満足感などの感情的な変化を評価する視点が示されていた。 2.ロールプレイング学習に関連した学生の行動・態度分析:上記の観点に関する検討により、まずは、実際にロールプレイングを行って看護学生自身が学んだことや気づきを記述式のデータで得た。それにより、(1)コミュニケーション技法や質問の仕方の重要性、(2)コミュニケーション技術のトレーニングや経験の必要性、(3)非言語的コミュニケーションの重要性、(4)相手の気持ちに対する気づき、などが学習者自身の学びとして多い意見であったことが明らかになった。これらにより、ロールプレイング学習で意図している「相手の気持ちの理解」という目標が達成可能であることが示唆された。(上記学会で発表) 次の段階では、リーダーシップ行動、不安感などを含めた評価データを収集した。また、コミュニケーション技術に関する評定尺度を作成し、その使用頻度や効果度の評価を試みた。また、観察者の観察内容((1)注目した患者・看護者役の言葉や態度、(2)治療的コミュニケーション、(3)非治療的コミュニケーション)についてのデータを収集した。さらには、ロールプレイング場面の録画を行い分析中である。平成12年度は、得た調査票および録画データの分析と尺度開発および指導者の関わり方についてデータ収集と分析を行う予定である。
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