2000 Fiscal Year Annual Research Report
人間関係技術領域におけるロールプレイ学習による態度育成
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11771522
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久米 弥寿子 大阪大学, 医学部, 助手 (30273634)
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Keywords | コミュニケーション技術 / ロールプレイング / 学習方法 / 教育評価 / 態度 / 看護学生 / 自己評価 / 評価指標 |
Research Abstract |
本研究では、人間関係技術におけるロールプレイング学習の教育評価指標を検討し、その評価指標により看護学生の行動・態度分析を行う。また、それ基づいて態度育成のための効果的な指導法を検討することを目的とした。 I.ロールプレイ学習に関連した看護学生の行動・態度分析の指標:A看護系大学看護学専攻3年生及び編入生(選択科目履修者)の演習参加者78名、および基礎看護技術演習履修者81名に対して、自作の自己評価用紙配布時に趣旨を説明し参加への意志を確認した。各グループで事例を展開し(ナース役割、クライエント役割、観察者役割をとる)、その後演じた場面を分析するという演習を反復して行う。自己評価用紙は、マイクロカウンセリング技法(Ivey,1978)や治療的・非治療的技法(Hays & Larson,1963)の項目に基づき、行動や態度評価指標を作成した。具体的には、1)コミュニケーション技術の実施程度(1=全然なかった〜5=常にあった)及び重要度(1=全く重要ではない〜5=非常に重要である)に対する認識、2)事例展開に対する認識、3)注目したコミュニケーション技術、4)学んだことや難しかったこと等を問う。信頼性については、クロンバックα係数(0.618〜0.763)、構成概念妥当性は因子分析によって確認した。 II.ロールプレイ学習に関連した看護学生の行動・態度傾向:因子分析の結果より、看護学生の行動・態度としては、「治療的技法」「肯定的受容的態度」「逃避的な非治療的技法」「不要な非治療的技法」などの傾向が示された。治療的技法の項目では、「情報提供」「言いかえ」「あいづち」などの実施程度が高かった。また、演習1回目と2回目の実施程度間で有意差が見られた項目は、「情報提供」「要約」「探索」「焦点化」(p<0.01)、「観察」「明確化」(p<0.05)であり、演習の繰り返しの中で技術を使用することが可能になったものと考えられる。重要度の認識では、『非常に重要』が、「肯定的受容的な態度」「要約」「情報提供」「言いかえ」などで多く、特に演習2回目では、「観察」(r=0.450,p<0.01)などの項目において、重要度の認識と実施程度間で有意な相関が見られた。このことから、重要性の認識と実施程度の関連性が示された。ロールプレイングという相互作用の場面を演じ観察するという経験によって「気づいたことを言葉にする」重要性が理解でき、重要性の理解と実施が影響し合ったと考えられる。また、演習1回目と2回目の重要度の認識では、「沈黙」(r=0.433,p<0.01)、「焦点化」(r=0.436,p<0.01)などで相関が見られ、1回目の認識が2回目にも維持されていたと捉えられる。その他、「個別性に応じた対応の必要性」「ミュニケーション技術を高める練習の必要性」「相手の気持ちを洞察することの重要性」「さまざまな経験を積むことの重要性」などが学びの内容として多かった。上記、成果の一部を聖路加看護学会第5回学術集会で発表した。
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Research Products
(1 results)