1999 Fiscal Year Annual Research Report
車椅子移乗介助動作の介助者の足位置の違いによる重心移動の変化の分析
Project/Area Number |
11771527
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
水戸 優子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (70260776)
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Keywords | 車椅子 / 動作分析 / 足位置 / 重心動揺 / 筋電図 / VTR / 移乗 / ボディメカニクス |
Research Abstract |
1.重心動揺およびバイオメカニクスに関連する客観的指標の決定 車椅子移乗介助動作のバイオメカニクスの観点から分析するために、生体力学に詳しい専門家に相談したところ、重心動揺、画像分析、筋電図を総合的に用いることが望ましいと考えられた。また、現在用いている重心動揺計は持ち運びが出来ないため、それに替わる圧力測定機の購入を考えたが、その機器は今年度2月に、大幅に改良されるとのことであり、次年度の購入に変更することとした。 2.臨床的に介助が必要な対象者の条件及び介助方法(足位置)の決定 画期的な体位変換の開発で知名度のある札幌麻生病院看護部長、およびその他の専門家に相談するとともに、臨床場面に参加観察を行った結果、多様な観点があるものものの、第1段階として片麻痺患者への車椅子移乗、及び3タイプの足位置、介助者と要介助者の体格差(身長差)を考慮に入れて研究を進めるべきことが明らかとなった。 3.足位置タイプの異なる介助方法による重心動揺、筋電図、VTR画像、主観調査の実施 介助者役の被験者(18名)及び要介助者役(4名)からの協力を得て、3つの足位置(要介護者の麻痺足を外側から支える場合(外足)、要介助者の足の間に置く場合(中足)、要介助者の膝下に介助者の膝下をあてて介助する場合(膝支え足))にて動作分析を行った。また、被験者の身長から2群に分けて、身長別の違いを見た。その結果、外足の場合が最も安定を示す結果であり、かつ主観的にも安心感を感じていた。一方、臨床で用いられる頻度の高い中足は、安定性を示さず、むしろ車椅子に要介助者の足をぶつけるなど危険な足位置と言えた。また、介助者の身長差により介助方法によって行いやすいものとそうではないものがみられた。次年度はこの結果をもとに臨床現場でデータを得ていきたい。
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