1999 Fiscal Year Annual Research Report
看護基礎教育における死に関する教育プログラムの開発
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11771536
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
吉田 みつ子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (80308288)
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Keywords | 新卒看護婦 / 患者の死 / サポート体制 / 継続教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は1)看護婦の死生観とその形成過程、及びそれらに影響する要因を経時的に明らかにする。2)1)の結果及び死生学、死の準備教育等の文献、専門家の意見等を踏まえ、看護基礎教育において必要な死に関する教育のプログラムの作成(教育プログラムの内容の妥当性、プログラム実施後の評価方法の検討も含める)を行うという2点であり、今年度は上記目的の1)と2)の一部を実施した。 1)看護婦の死生観の形成過程の明確化 15名の就職後1年半の間の対象者の患者の死に関する体験を分析した結果、個々人によって体験された時期や頻度が異なるものの、4種類の体験がみられた。4種類の体験は、「強い動揺」「手際良く患者の死に対応することへの関心」「葛藤」「覚悟と積極性」であり、就職後4から6ヶ月間に「強い動揺」「手際良く患者の死に対応することへの関心」の体験が多く、同時期に患者の死を全く体験していない4名を除く11名全員がこれらを体験していた。就職後12ヶ月前後には「手際良く患者の死に対応することへの関心」から「葛藤」への変化が多く体験されていた。「覚悟と積極性」は就職後15ヶ月頃に4名の対象者が体験していた。対象者が語った死に関する4種類の体験は患者の受け持ち期間や意識レベル、死の予測の程度(急変か否か)に影響を受けており、同一対象者の中でも事例毎に異なる場合もあったが、それらの体験を時間的経過に沿って分析したところ、「関心の方向」「看護婦としての役割遂行の認識」「先輩看護婦と自分との違いの認識」「死に対する忌避感情」が時間と共に変化していたことが明らかになった。 2)国内の死生学に関する文献の検討、専門家へのヒアリング 上記の分析結果について緩和ケアの実践及び教育に長年関わっている専門家1名にヒアリング調査を行った。
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