1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771555
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
大平 光子 三重県立看護大学, 看護学部, 助手 (90249607)
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Keywords | 子ども虐待 / 母親役割 / 母親としての自己像 / 質的分析 / 看護介入 |
Research Abstract |
平成11年度は、妊娠に伴う合併症及び不妊治療の経験がない日本人妊婦で、妊娠28週前後から産褥1ヶ月までの縦断的な追跡が可能であった9名を対象に、母親役割獲得プロセスを把握するための面接(妊娠及び産褥1ヶ月を通して)と並行して、妊娠期間を通して「その人なりの現実的な母親としての自己像を確立する」ための看護介入を実施した。面接及び看護介入の内容は、対象者の許可を得てすべてテープ録音した後、逐語録として分析データとした。 データ分析の結果、平成11年度には次のことが明らかになった。 妊娠期に実施した「その人なりの母親像を確立する」という看護介入に対して、妊娠期から、<母親になる過程で経験する否定的及び両価的感情の表出>、<自分なりの母親像に含まれる否定的感情の表出>、<現実的な母親役割モデル探索>、<実際の育児場面で経験するであろう困難や困惑の予測>、<自分なりの母親像の模索>、という反応を示したものは、産褥期の母親役割獲得プロセスにおいて、形式的段階(模範的な母親としての役割を経験する段階)から非形式的段階(自分とわが子に適合する自分なりのやり方を工夫しながら役割関係を発達させる中で、独自の母親役割を構築していく段階)に、円滑に移行するという効果が得られた。
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