1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771559
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
安岡 宣容 高知女子大学, 看護学部, 助手 (10244774)
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Keywords | コントロール感覚 / がん看護 / 化学療法 / 放射線療法 / 質的研究 |
Research Abstract |
治療を受けたがん患者のコントロール感覚を明らかにするために以下のことを行った。まず、既存の文献を検討した結果から、がん患者のコントロール感覚を明らかにするために、できるだけ対象者の言葉で対象者自身の体験が語れるような半構成的質問紙を作成した。そして、癌の診断で治療を受けた患者5名に対して個別に半構成的質問紙に基づく面接法でデータ収集を行った。データの遂語録を作成し、がん患者のコントロール感覚に関係する内容を抽出して分析を行った。対象となった患者は、男性3名と女性2名の合計5名で、年齢は50歳から67歳であった。対象者の疾患と治療は子宮癌で手術後、放射線療法と化学療法を受けた患者が1名、肺癌で放射線療法と化学療法を受けた患者が3名、悪性リンパ腫でリンパ腫でリンパ腫摘出後、化学療法と放射線治療を受けた患者が1名であった。全ての対象者が、癌という病名について主治医から説明を受けていた。 治療を受けたがん患者は、治療の効果を実感するとともに、副作用の恐怖あるいは再発の恐怖と闘っていた。そして「見えないものをいかに見えるようにするか」を様々な方法で達成することによって、自分自身のコントロール感覚をはたらかせようとしていた。 次年度は、現在の分析をさらに進めながら、対象者数を20名程度まで増やして、「見えないものを見えるようにする」ための方略の内容やその要件に関して探究を進め、がん患者のコントロール感覚の構造を明らかにしていきたいと考えている。そして、どのような看護援助によって、がん患者のコントロール感覚が支えられるのかを検討していくことを計画している。
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