1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患の子どもが日常生活の中で行っている自己決定
Project/Area Number |
11771560
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
益守 かづき 高知女子大学, 看護学部, 講師 (20238918)
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Keywords | 慢性疾患の子ども / 日常生活 / 自己決定 |
Research Abstract |
慢性疾患の子どもが、病気と向き合いながら日常生活(友達との交流や学校行事など学校生活や家庭生活)を送る中、どのように自己決定を行っているかを明らかにすることを本研究の目的とした。 自己決定をしている場面や自己決定するプロセス、自己決定に影響することなどを明らかにするため、既存の文献を参考にしながらインタビューガイドを作成した。インタビュー内容は、日常生活・学校生活でどのように家族・友達と交流にしているのか、どのようなことを工夫しているのか、生活をする上で困難に感じていることをどのように捉え、どのように取り組んでいるのかである。 平成11年12月にA病院の小児科医長・病棟婦長の承諾を得た後、慢性疾患の子どもと家族に書面を活用して説明し、研究協力を依頼した。10歳より15歳までの子ども5名に協力を得ることができた。子どもや家族とインタビューの場所や時間を相談の上、子どもの体調に気をつけることやプライバシーへの配慮を行いながら、インタビューを実施した。1名の子どもにつき、1回のインタビューが約70分で、2〜3回のインタビューを実施している。全員の子どもより、録音の許可を得ることができ、質的に分析を行った。 子どもたちは、現在月1回程度外来通院しながら、日常生活を送っていた。午後の外来が多いため、学校終了後または6時限目だけを早退していた。なるべく友達と同じように過ごすようにしていたが、体育など一部の科目を一緒にできない子どももいた。一緒にできないことを悲観的に捉えるより、できることもあると前向きに考えている。日常生活の問題について、医療者と話し合っている子どもは少なく、過去の自分の経験から判断していた。外来時、医療者は母親と話をしているが、自分と話していると感じている子どもは少なかった。病状が安定しており、ほとんど自分の生活を自分で決定しようとしている子どもに対する看護者の役割について再検討する必要が示唆されている。
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