1999 Fiscal Year Annual Research Report
優れたスラップスケート滑走動作の技術的要因に関するバイオメカニクス的研究
Project/Area Number |
11780005
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
結城 匡啓 信州大学, 教育学部, 講師 (90302398)
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Keywords | バイオメカニクス / スラップスケート / 一流選手 / 滑走技術 / 3分力センサー / 3次元動作解析 |
Research Abstract |
1.研究の目的と本年度の課題 本研究では、スケートブレードに作用する3分力が計測できるセンサー内臓スラップスケートを開発し、一流競技者のスラップ滑走動作を3次元画像分析法を用いて解析することにより、合理的なスラップ滑走技術をバイオメカニクス的に明らかにすることを目的とし、本年度は以下に示す2つの研究課題を設定した. (1)研究課題1:センサー内臓スラップスケートの開発 ストローク中のブレード反力を精度よく計測するために、靴とスラップ支点部との間に上下・左右・前後の3分力が計測可能な小型ロードセルを挟み込んだセンサー内臓スラップスケートを開発する. (2)研究課題2:スラップ滑走と従来の滑走動作をバイオメカニクス的に比較 一流選手2名にセンサー内蔵スラップスケートを履かせて滑走させ、スケーターの滑走動作を高速度VTRカメラを用いて撮影し、パンニングDLT法により3次元的に解析する. 2.得られた知見 ・スラップが開いた状態でブレードに有効な力が作用している時間は、約0.06秒と短い. ・スラップを使用するとカーブにおける左ストローク終了時の股・膝・足関節の(最大)伸展角度が小さくなる. ・ストローク終盤において、踵固定タイプのスケートではストローク中に前傾された下腿がわずかに後傾するが、スラップでは下腿が内傾し続ける. 3.今後の課題 来年度は被験者を増やして同様の実験を行うとともに、Kinetics的な解析(関節トルク、トルクパワー、身体部分間のエネルギーの流れなど)を加えてトレーニングへの示唆を提示し、本研究を完成させたい.
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