1999 Fiscal Year Annual Research Report
トップアスリートを育成する文化システムの文化経済的研究
Project/Area Number |
11780013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 義雄 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助手 (70303592)
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Keywords | トップアスリート / 文化経済学 / スポーツクラブ / スポーツ振興投票 |
Research Abstract |
プロ・アマを問わずスポーツの世界で活躍するトップアスリートは、多くの人々に感動を与え、現代社会のヒーローやヒロインとしての役割を担っている。日本のトップアスリートは、スポーツ種目によって差異があるものの、その多くは学校や公共のスポーツ施設でその卓越した技術を身につけている。その一方で体操競技や水泳競技などのように民間のスポーツクラブがジュニアを育成していることも事実である。このように今日のトップアスリートは自然に完成するのではなく、公的及び市場における経済原理に基づく教育システムを通じて育成されている。 本研究では近年芸術活動の経済学的分析を実施している文化経済学をスポーツに援用し、卓越した身体運動文化の再生産を支える経済システムについて検討することが目的である。 平成11年度は英国においてトップアスリートを生むクラブ制度が巨額なテレビマネーによって再編されている現状を英国研究者からレビューを受けた。またフランスワールドカップの優勝に貢献したサッカー学校の制度など欧州における近年の変化について情報を収集した。国内においては経済不況の影響による企業スポーツクラブの解散の影響、そして学校を中心としたスポーツクラブの市場経済への対応や、新しい競技大会のシステム構築を図っている地域の事例を集めた。平成12年度は事例からトップアスリート育成につながる文化システムの共通性を抽出し、その文化システムを成立させる市場と公共の経済学的側面を検討し、今秋実験が開始されるスポーツ振興投票のスポーツ文化システムにおける役割を検討するとともに、売上金の給付について効果的な知見を得ることとする。
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