1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780017
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70215458)
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Keywords | 発汗反応 / 皮膚血流反応 / アイソメトリック運動 / 血圧 / 心拍数 |
Research Abstract |
運動時の熱産生量は安静時のl0倍にも達する場合があるので,深部体温をある範囲内に維持するためには体温調節反応が重要となる.ヒトの体温調節反応は深部体温などにも影響されるが,運動強度が強い場合には活動筋の筋内代謝受容器からの求心性入力もこの反応に影響している可能性がある.平成11年度では筋代謝受容器が体温調節反応にどのように影響を及ぼすのかを明らかにするための実験方法を検討した. 被験者8名に対して、環境温25℃,相対湿度50%に設定された環境制御室内で,先ず,最大静的筋収縮(MVC)を測定した.その後,アイソメトリックハンドグリップ運動を,1)30%MVCの運動を60秒間,2)30%MVCの運動を120秒間,3)45%MVC運動を60秒間実施した後,上腕に巻いたカフ圧を240mmHg以上に上げ,上腕を阻血した.運動後の阻血は120秒間とした.この阻血中は運動を実施していないことから,central commandと筋や腱の機械受容器は活動しておらず,筋代謝受容器のみの影響が観察されると考えられる. 阻血中の平均血圧は1)の条件では運動前の安静時より有意に高い値を示さなかったが,条件2)と3)においては安静時より有意に高い値を示した(P<0.05).また,その程度は3)の条件で大きかった.一方,心拍数はいずれの条件も阻血中は運動前の安静時レベルに戻った.これらのことから,l)の条件では選択的に筋代謝受容器を刺激できず,2)および3)の条件ではそれを十分に刺激でき,また,3)の条件での刺激程度がさらに大きくなることが示された.平成12年度では体温調節反応が2)および3)条件時にどのように変化するのかを検討することで,筋代謝受容器が体温調節反応に及ぽす影響を明らかにする.
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