1999 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀前半のイギリスにおけるスポーツ・ジャーナリズムと急進主義
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11780020
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
池田 恵子 山口大学, 教育学部, 講師 (10273830)
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Keywords | 19世紀 / イギリス / スポーツ / ジャーナリズム / 急進主義 |
Research Abstract |
文部省在外研究員として、平成9年度にイギリスから持ち帰った多数のマイクロフィルムのリーダー・プリント化と製本作業を進めながら、一九世紀イギリスの週刊スポーツ新聞が創刊されるにいたった経緯と急進主義文学の比較を行った。急進主義的批評家のスポーツ論に関しては、W・コベットの狩猟に関する言説についてこれまでに小論を残しているが、本年度は田舎の土地貴族であるジェントルマンと関係深いフィールド・スポーツ以外の世界についても論稿を残していたW・ヘイズリットの著作に焦点をあててみた。彼のスポーツに関する随筆については全文の翻訳も行い、研究雑誌に翻訳資料として発表を行った。ヘイズリットとスポーツ・ジャーナリスト、ピアス・イーガンの週刊スポーツ新聞との関係については研究発表を行い、まもなく刊行予定である「1820年代のイギリスにおける急進主義的批評家の挙闘観-W・ヘイズリットの挙闘(1822)-」としてまとめている。また、スポーツ・ジャーナリズムの形成と急進主義的思考の全般に関する序説的研究を、本年度は体育・スポーツ史に関する国際学会(6^<th> Congress of ISHPES,in Budapest)にて発表し、一定の評価を受けた。まもなく学会誌に刊行されることになる"Sport and Radicals in Pre-Vicitorian Society of Britain"がそれにあたる。急進主義的思考がスポーツ・ジャーナリズムの生成過程に影響を及ぼしていたという指摘はイギリスやその他の国のこの時期を対象とする研究者には見られないものであり、今後の研究を深めていく意味を確信し、次年度へと続けたいと考える。手元にはPoor Man's Gurdianといった急進主義者が刊行した大衆新聞も入手しており、これらに見られるスポーツに関する記事を検討してみたい。その他の残されている資料から今後さらに急進主義とスポーツ・ジャーナリズムの関係史研究を深めていきたいと考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Keiko Ikeda: "Sport and Radicals in Pre-Victorian Society of Britain"ISHPES-Studies : Sport and Politics. (現在印刷中).
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[Publications] 池田恵子: "1820年代のイギリスにおける急進主義的批評家の挙闘観-W・ヘイズリットの挙闘(1822)-"奈良女子大学スポーツ科学研究. Vol.2(現在印刷中). (2000)
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[Publications] 池田恵子: "スポーティング・プレスの誕生-イギリス一九世紀-"現代スポーツ評論. 第2号(5月刊行予定). (2000)