1999 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングが高齢者の動脈伸展性に及ぼす効果に関する縦断的研究
Project/Area Number |
11780037
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
柿山 哲治 九州保健福祉大学, 保健科学部, 専任講師 (10255242)
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Keywords | 大動脈脈波速度指数 / 中高齢者 / 短期間 / 持久性運動 / 抵抗性運動 |
Research Abstract |
本研究の目的は,低強度の運動トレーニングが中高齢者の大動脈伸展性に及ぼす効果を検討することである。特に,短期間の効果について検討するため,44〜79歳の男女35名を対象に,体力に応じた負荷を与えて,自転車エルゴメーターを用いた持久性運動,ダンベルおよびウェイトトレーニングマシーンを用いた抵抗性運動を,1回約90分間,週2回の頻度で6ヶ月間継続させた。その結果,心拍数および収縮期血圧は男女とも有意に低下し,拡張期血圧は男性のみ有意な低下が認められた。さらに,最大酸素摂取量は男女とも増加したが,女性のみ統計学的に有意であった。また,6ヶ月間のトレーニングにより,大動脈脈波速度指数は男女とも低下したが,女性のみ統計学的に有意であった。動脈壁の弾性率は,主として中膜を構成する線維蛋白によって規定されるが,生体内では中膜平滑筋のトーヌスもまた弾性率の規定因子であるので,短期間に生じた大動脈伸展性の変化は,運動トレーニングによって血管のトーヌスが低下したことによる可能性が考えられた。すなわち,中高年者において,比較的短期間で低強度の運動トレーニングでも大動脈伸展性の改善が得られる可能性が示唆され,その改善が血管トーヌスの低下による可能性が推察された。
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Research Products
(1 results)