1999 Fiscal Year Annual Research Report
学生時代のスポーツトレーニングが年齢に伴う月経周期変化と妊孕性に及ぼす影響-入学年次の異なる二集団における縦断的月経データの比較-
Project/Area Number |
11780042
|
Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
菊地 潤 日本女子体育大学, 体育学部, 助手 (70224912)
|
Keywords | 月経周期 / スポーツトレーニング / 縦断的 |
Research Abstract |
若い時期にスポーツ活動を行った女性の年齢経過に伴う月経周期変化の特徴をより明確にするために、1981年と1985年4月に体育大学体育学部に入学した女子を対象に、入学時から卒業後15〜20年間調査してきた月経データを解析し、1981年入学者と1985年入学者の年齢、経年齢に伴う月経周期変化の比較を行った。 年齢別(18〜30歳)にみた平均月経周期は1981年入学者(以後1981年)、1985年入学者(以後1985年)ともに18〜30歳まで31〜33日であった。経年齢別(2〜19年)の平均周期は1981年、1985年ともに経年齢6、7年までは31〜44日の間を変動していたが、その後は31〜33日で安定していた。一方、標準偏差をみると、1981年は大学時代である18〜21歳に14.8〜24.1日と他の年齢より大きい傾向を示したが、1985年は20〜24歳に14.5〜24.3日と大きい傾向を示した。また、経年齢別にみても1981年は経年齢3〜6年が19.0〜56.0日と大きいのに対し、1985年は2〜11年まで10.5〜33.9日と大きい傾向を示し、1985年は1981年より月経周期の安定に長い時間を要することが示唆された。さらに、大学時代に運動部に所属していた者(所属群)と所属していなかった者(無所属群)に分けて年齢別、経年齢別に平均周期および標準偏差を算出したところ、所属群と無所属群の比較においては1981年、1985年ともに所属群の方がほとんどの年齢、経年齢において標準偏差が大きい傾向がみられた。しかし、無所属群のみを1981年と1985年で比較すると、年齢25、28歳、経年齢14〜16年を除くすべての年において1985年の方が0.3〜10.1日大きい傾向を示し、1985年はスポーツトレーニングの他にも月経周期の変動を大きくするような因子を持つ集団である可能性が示唆された。 今後は妊孕性についても2集団を比較検討し、学生時代のスポーツトレーニングが年齢に伴う月経周期変化や妊孕性に及ぼす影響について明らかにしていきたい。
|