Research Abstract |
本年度は,筋形状の差異が貯留血液量に及ぼす影響について検討することを目的とし,そのための準備として,新規購入した足関節用マルチポジション筋力計(VMP-004,VINE社製)キャリブレーション及び,測定法の検討を行った.筋力計は,可動域について0-180°(1-2V)の範囲,トルクについては0-250Nm(0-5V)の範囲で測定可能であることを確認した.安静時および活動時の筋形状の変化は,超音波測定装置(SystemV,VingMed社製)を用い,下腿三頭筋の腓腹筋内側頭(MG),外側頭(LG),ヒラメ筋(SOL)を被検筋とした.仰臥位にて20分間の安静を測定した後,椅座位姿勢に受動的に変換し,その姿勢のまま30分間安静を保った.MGとLGについては,下腿長の遠位30%部分の筋幅中央について,SOLについては,下腿長50-60%部位の外側部分について,組織横断画像と縦断画像を5分毎に取得した.得られた画像から,それぞれの筋の筋厚と筋束長,羽状角を測定した.血液量の変化は,対側肢について2chの赤外線酸素モニタ(NIRO-300,浜松ホトニクス社製)を用いて,MG,LG,SOLの総ヘモグロビン量を1Hzで仰臥位安静時から連続的に測定した.測定は,同じプロトコールで左右それぞれ2回ずつ行なった.その結果,筋形状には有意な変化は認められなかったが,血液量は椅座位安静の時間に伴い,増加していく様子が観察された.血液が貯留していく程度については,個人によって差が見られたため,筋形状との関連について今後例数を増やして,検討していく予定である.
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