1999 Fiscal Year Annual Research Report
ファシズム時代のイタリアにおけるスポーツ政策-第12回オリンピック競技大会の招致をめぐって-
Project/Area Number |
11780048
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Research Institution | Chukyo Women's University |
Principal Investigator |
田原 淳子 中京女子大学, 健康科学部, 助教授 (70207207)
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Keywords | イタリア / 第12回オリンピック競技大会 / ムッソリーニ / ファシズム / ボナコッサ / 外交 / IOC / ローマ |
Research Abstract |
本年度は、資料収集およびそれらの整理作業に多くの時間と労力を費やした。 海外では、スイスのローザンヌにあるIOCオリンピック研究センターを訪れ、研究対象とする時期の資料を収集した。ここでは主として、イタリアとIOCとの往復文書、特にイタリアIOC委員と当時のIOC会長(Baillet-Latour)との往復書簡、第12回大会の招致に関する立候補都市ローマに関する文書、Baillet-Latourの書簡等を収集した。検討の結果、ムッソリーニらイタリア政府関係者とIOCとの間の書簡は見られなかったが、これまで十分明らかになっていなかった第12回大会へのローマの立候補の背景など、イタリアの候補都市に関する豊富な情報を入手することができた。また、該当時期のIOC総会議事録、IOC理事会議事録、IOC機関誌"Olympic Review"を複写し、書簡等の内容を裏付ける貴重な情報を得た。 国内では、当時のイタリアをめぐる国際情勢、外交面における日独関係などを中心に、政治・外交面の文献収集に努めた。また、関連事項の詳細な年表を作成し、個々の事項の背景を捉えやすくするための作業等を行った。 次年度は、収集した資料・文献の詳細な検討・分析を行うとともに、本年度訪問することができなかったイタリアについても調査を行い、不足な点を補いたい。本研究の成果は、カナダの国際オリンピック研究センター発行の機関紙"OLYMPIKA"への投稿を予定している。
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