2000 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児の脂肪量・除脂肪量の発育〜匍匐運動と直立二足歩行開始時に着目して〜
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11780052
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Research Institution | Asahikawa University Women's Junior College |
Principal Investigator |
坂田 知子 旭川大学女子短期大学部, その他部局等, 助教授 (20258750)
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Keywords | 乳児 / 身体組成 / 脂肪量 / 除脂肪量 / 運動発達 |
Research Abstract |
【目的】本研究では、匍匐運動開始以前の乳児を対象として、匍匐運動や直立二足歩行といった乳児期にみられる運動発達と皮下脂肪と筋肉の形態発育との関連性を検討することを目的とする。 【方法】平成11年度から平成12年度にかけて北海道旭川市在住の乳児6名(男児1名、女児5名;測定開始時生後4〜5ヶ月)を対象として、週1回、身長、体重、頭囲、胸囲、座高、上腕囲、前腕囲、大腿囲、下腿囲、上腕長、前腕長、大腿長、下腿長、皮下脂肪厚および筋厚(測定部位:上腕前部、上腕後部、前腕前部、前腕後部、大腿前部、大腿後部、下腿前部、下腿後部、腹部、肩胛骨下部)を測定した。 また、測定時の運動発達の様子および匍匐運動の形態をビデオカメラで撮影し、後日、運動発達段階および移動形態の様子を特定した。 計測した周径囲、体肢長、皮下脂肪厚および筋厚から、体幹部、上腕部、前腕部、大腿部、下腿部、それぞれの部位における推定断面積に体肢長を乗じ、各部位における脂肪量と除脂肪量を総計することによって、脂肪量および除脂肪量を推算した。 【結果】測定の欠損値が少なく測定開始週齢が低かった対象児A(測定開始週齢20週)では、測定開始後、急激に体重が増加し、その後緩やかな増加傾向を示した。一方、除脂肪量は測定開始後から直立二足歩行開始後の生後約60週まで減少しつづけ、その後増加傾向へと転じ、直立二足歩行開始前後でV字型の発育パターンが認められた。さらに、除脂肪量は、増加時期と定常状態を保つ時期を繰り返しながら増加しつづけた。 【考察】除脂肪量において直立二足歩行を境にV字型の発育パターンを示す傾向は他の対象児にも認められ、興味深い結果となった。しかし、体重の増加傾向と脂肪量および除脂肪量の細かい変動が必ずしも一致せず、さらに詳細な分析が必要となると思われる。
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