1999 Fiscal Year Annual Research Report
運動が肥満者の体脂肪減量に及ぼす効果と肥満遺伝子との関連
Project/Area Number |
11780053
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Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
柳田 昌彦 山形県立米沢女子短期大学, 健康栄養学科, 助教授 (40251128)
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Keywords | 運動 / 肥満 / 体脂肪 / 個人差 / β_3-アドレナリン受容体遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では,運動の肥満改善効果における個人差の成因として,遺伝的な肥満体質の違いに注目し,肥満遺伝子のひとつであるβ_3-アドレナリン受容体(以下β_3-ARと略す)遺伝子の多型性(変異状況)と,運動が肥満者の形態的特性や血液成分に及ぼす改善効果との関連性について検討することを目的としている。今年度は,中高年女性肥満者に対してダンベルを用いた軽レジスタンス運動を3ヵ月間実施させ,形態や血液成分に及ぼすトレーニング効果について検討した。 被験者は,山形県白鷹町に在住し,町が肥満者に対して開催した健康教室に自主的に参加した中高年女性52名であった。平均年齢は48.6歳(33〜65歳)であった。被験者には,各自の筋力レベルに応じて,軽量の鉄亜鈴を用いたダンベル体操を1日15分間,3ヵ月間実施させた。食事指導については,適正エネルギー量を摂取するための講話と実習を各1回実施したが,厳格な食事制限は行わなかった。トレーニング前後に身長,体重,体脂肪率を測定し,BMI,体脂肪量及び除脂肪体重を算出した。また,血中脂質として総コレステロール,HDL-コレステロール,血清中性脂肪を測定した。 トレーニングを高頻度(週5日以上)に実施した被験者42名の体重は,3ヵ月後に平均で2kg(64.5→62.5kg)有意に低下し,体脂肪量も1.8kg(22.8→21.0kg)有意に低下したが,除脂肪体重は変化しなかった。また,総コレステロール,HDL-コレステロール,血清中性脂肪は,すべての項目において初期値が正常範囲内であったため,有意な変化は認められなかった。 来年度は,被験者のβ_3-AR遺伝子の多型性(変異状況)を分子生物学的手法を用いて解析し,今回得られた体重・体脂肪量における減量効果とβ_3-AR遺伝子変異の有無との関連性について検討する。
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