2000 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブな余暇スタイルをもつ中高齢者における日常行動の特徴とQOLに関する研究
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11780056
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Research Institution | Osaka Shoin Women's Junior College |
Principal Investigator |
佐橋 由美 樟蔭女子短期大学, 人間関係科, 助教授 (10226045)
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Keywords | アクティブな余暇スタイル / 中高齢者 / QOL / ESM(Experience Sampling Method) / 日常行動パターン(生活時間) / 動機づけ傾向 / 感情・気分 |
Research Abstract |
本研究は、日頃、余暇活動の面でアクティブに活動しており、また、余暇活動へのコミットメントレベルの高い中高齢者に焦点をあて、ESM(Experience Sampling Method)調査の手法によって、日常生活行動の実際や動機づけ、感情・気分、状況知覚・認知、余暇活動に対する意識・態度など幅広くデータを収集し、一般中高齢者との比較・対比を通じて、アクティブな中高齢者独特の行動パターンや心理的特徴を探ろうとするものである。 本年度の主たる課題は、前年度に引き続き比較対照群(一般中高齢者)に対しESM調査を実施しデータの蓄積を図るとともに、研究の主眼であるアクティブグループから調査データを収集することであった。アクティブグループのサンプル構成にあたっては、各人が傾倒している余暇活動のタイプによって、行動の実際、態度・意識等特徴を帯びるものと考え、(1)「スポーツ・エクササイズ」(2)「ボランティア・社会的活動」(3)「文化・芸術的活動」の3領域からそれぞれ対象者を選定した。2年間の調査を通じて、アクティブグループは39名((1)12名、(2)12名、(3)15名)、対照群としては53名、計92名から分析データを収集した(約5000件)。 1.ESMデータによる週全体の感情・気分、充足感のレベルや、一般質問紙調査・心理テストにおける様々なQOL指標の数値は、予想どおりアクティブグループの方が高い傾向にあった。 2.アクティブグループと対照群では、消極的、積極的活動も含めたトータルな「余暇活動」時間に顕著な差はなかった。これは、個人の全般的なQOLが表面的な余暇活動時間の多寡ではなく、当面する状況を最大限ポジティブで充足的に体験しようとする積極的態度-「動機づけ」等の心理傾向に影響されることを示すと思われる。 3.アクティブグループの中では、「ボランティア」グループの行動・心理的傾向がとりわけ特徴的であった。
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Research Products
(1 results)