1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780064
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
北川 博史 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20270994)
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Keywords | ソフトウェア産業 / 海外進出 / インド |
Research Abstract |
報告者はこれまで国内におけるソフトウェア産業の展開を中心に研究を進めてきた。しかしながら,現在進行しつつあるソフトウェア生産部門の海外進出状況とそれにともなう国内の生産構造の変容に関しては課題が残った。近年,インドや中国などにおけるソフトウェア産業の成長とともに外国企業は生産の拠点をこれらの国々に配置する傾向にある。そうした状況下において,わが国のソフトウェア産業においても海外での生産活動を行う企業が現れており,これらの企業の海外進出動向を解明することは当該産業の地域的展開を考察する上で極めて重要な点であるとの認識を得た。そのため,本研究においてはわが国のソフトウェア産業における海外進出の実態を明らかにしたいと考える。こうしたグローバル化の進行が著しい産業部門を研究対象とする場合,地理学的視点に立脚した研究が有効であると考える。 今年度は,わが国のソフトウェア企業の海外進出状況を把握するために,「海外進出企業総覧」などの資料を基礎として企業リストを作成する作業を行った。この作業過程において,特に,近年,ソフトウェア産業の興隆が著しいインドが生産拠点として特に重要であることが判明した。そのため,インド国内のソフトウェア産業の成長過程ならびに当該国への日本をはじめとした先進諸国のソフトウェア関連企業の進出に関してさらなる資料収集ならびに調査を行った。その結果,インド国内には複数のソフトウェア産業集積地が形成されつつあること。そして,バンガロールを中心とした南インドにおいて外資系企業の進出に伴い急速にソフトウェア産業が発展しつつあることなどが明らかになった。この研究結果については人文地理学会第232例会において発表し,その要旨については人文地理に掲載される予定である。
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