1999 Fiscal Year Annual Research Report
RS・GISを用いた多摩ニュータウンにおける夜間の居住環境評価
Project/Area Number |
11780069
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石崎 研二 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (10281239)
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Keywords | リモート・センシング / 地理情報システム / 多摩ニュータウン / 居住環境 / 夜間 |
Research Abstract |
本研究では,リモート・センシング(RS)および地理情報システム(GIS)を用いて,多摩ニュータウンにおける夜間の居住環境評価を試みるものである.今年度は,居住環境評価のためのシステム構築とデータ収集を行なった.具体的には以下に示すとおりである. (1)居住環境評価およびRS・GIS技術に関する既往の研究を整理・吟味し,研究の枠組みと分析手順の確立を図った.その結果,夜間照明に関するデータおよび解析に対するRSの有用性,施設の近接性に関するデータおよび解析に対するGISの有用性が明らかになり,両システムをリンクしたシステム構築によって,さらに応用性の高い居住環境評価が可能であることを確認した. (2)パーソナルコンピュータおよび画像解析ソフトウェア(ERDAS IMAGINE)の設定を行ない,ベクター型GIS(Arc View)の空間データとの整合性を検証した.サンプル画像データを用いた結果,幾何補正によって既存のベクター型空間データ(「数値地図2500」,「ゼンリン電子地図」,「東京都都市計画図データ」など)と重ね合わせおよび解析が可能であることを確認し,技術の習得に努めた. (3)2月〜3月に,対象地域における街路灯などの照明装置の分布,犯罪防止の掲示物の分布について,アルバイトを使用して現地調査を行なった.調査は進行中であり,また収集したデータはベクター型GISに空間データとして入力中である.現時点における調査の結果,対象地域の中でも初期に開発された諏訪・永山地区では,街路樹の成長に伴って街路灯が遮られ夜間照明が十分ではないこと,公園などのオープンスペースでは夜間に暗闇が多く創出され,犯罪防止の掲示物もそうした暗闇が創出される場所によく見受けられること,その結果,両者の関係に注目することによって,夜間の居住環境における住民の物的・心的影響を測る手段となりうること,などが確認された.
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